結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

かまくらカスターのクリスマスパッケージを手に入れた喜びを綴った話。

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2007.12.19(水) 社会人1年目

 

この手紙を開いていただきまして、どうもありがとうございます。貴方のことですから、きっと読まずに捨ててしまわれると思っていました。

 

さて、ここまで読んでいただいたからには何か一つ話をしなくてはいけません。いや、書き連ねると言った方がいいのでしょうか。

 

かまくらカスター

先日、私は大好きな洋菓子かまくらカスターを買いに、ひらがなのデパートに出掛けたのです。私は此処に住む前、一度だけここを訪れたことがありました。なかなか思い出深い場所で御座います。

 

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諸刃の嘘

その思い出といいますのは、お忍び旅行と言いましょうか。私、家族の誰にも内緒で女性とお付き合いしていたことがございまして。いや、どんなときでも家族には内緒なのですがね。

 

その時、この場所で蕎麦を食しまして、温かい蕎麦にも蕎麦湯は有効であることに嘆感いたしたものです。

 

さて、そんな思い出より色濃いのは、その日はお母様に友人宅に泊まると申し上げてきたのですが、帰宅した日に、うっかり自分の部屋のゴミ箱に工作もせず、その蕎麦屋のレシートを捨ててしまいまして。それをゴミ収集の時に母親が見つけたようで、

 

「あなた、横浜に行って来たのですか?」

 

と私に問うてきました。優雅に朝の緑茶をすすっていた私はそれを吹き出しそうになるのを堪えまして、レシートの件を問うているとは分かっていたものの、一呼吸置くために「どうして知っているのか」と訪ねたところ、先程述べた後半部の顛末を語るのでした。

 

私は嘘作成回路を光速で働かせ、狼狽えるのを必死で隠し、お母様にはちょっと早めの卒業旅行と告げたのでした。皆、お金がないので日帰りにして、友人宅に泊ったのだと。そうしてまず、誰といったのか何処を回ったのかそれだけ提供しておきました。

 

喋りすぎてかえって嘘に気づかれることを懼れたのです。幸い、横浜という街はお母様が好きなところであり、質問をしてくれたり、自分の話になったりするなど、うまくかわすことが出来ました。

 

4人で行ったという話であるのに、蕎麦屋の伝票が2人前しか無かった辻褄をあわせるのには苦労しましたが、どこで夕食を取るかについて諍いになり、2手に分かれて食事をしたという苦しい言い訳を堂々と言ってのけることで事なきを得たのでした。

 

クリスマス味は苺味

話が逸れてしまいました。ついつい思い出話に耽ってしまいました。かまくらカスターからとても遠いところまで筆を進めてしまったことお詫びいたします。

 

そのかまくらカスターですが、初めて購入したとき、その季節限定のストロベリー味に感銘を受けまして、その季節が終わってしまったとき、一年待たねばならぬと落胆したものです。しかし、この度クリスマス味という名前に惹かれて購入しにいったそれはストロベリー味で御座いました。

 

この喜び、何物にも代え難し。

 

5個購入して帰宅したのですが、その日のうちにすべてを食してしまいました。なんたる計画性のなさでしょう。

 

しかして、それでも食べ飽きぬのです。人間の食欲とは恐ろしいものですね。

 

このストロベリークリームは、かつて私を虜にしたあの食べ物のように、私を狂わせてしまうのかもしれません。

 

さようならクリスマス

その食べ物については私の心の中にしまっておきます。あなたからお返事をいただけたらなら、その折りにお話ししようと思います。

 

また、今週も買いにいこうと思います。気づけば来週はクリスマス。その日でクリスマス味は発売終了となります。

 

私は悲しむでしょう。しかし、また新たな味に心躍らせるのでしょう。

 

寒くなってきましたが、お体には気をつけてお過ごしください。あなたのこれからのご活躍、お祈りしております

 

考察

かまくらカスターをこんなにも愛してしまっていたとは。そしてそのことをすっかり忘れていたとは…私も罪な男です。この年以降、食べた記憶が無いんです。

 

ちなみに、『諸刃の嘘』のお話について、完全にバレていると思っておりましたが、母は私のハリボテの嘘をすべて信じていたようでした。私の演技が素晴らしいのか、単に母が純真無垢なのか…。