2013.12.10 社会人7年目
「お客様。ドア壊しましたよね?」
2次会カラオケでの退室時、店員にそう声をかけられた。ああ、そういえばトイレから帰ってきたら、妙にドアの閉まりが悪かった気がするなと朧げに思うた。
カラオケ店にて
「器物破損扱いとして、弁償していただきますが。」とそのあとに続く店員の声を遮り、先ほどまで歌の狂宴として機能していたステージへと舞い戻った男4人。
「3本の矢よりは知恵を絞れるはず。しかし泥酔、如何なものか。」と思うたが、1名が全体指揮監督に回り、なんとか扉を修復することができた。
直してみればなんてことはない、扉がずれただけのことであった。そもそもちょっとの衝撃でずれてしまうぐらいに扉のネジが緩んでた様である。
しかしそれでも、店側にとっては大きな損失である。しかも、それがドアに対して蹴りを入れたことによる破損であるなら、我々の非は明らかである。
「ちょっと、ノリすぎじゃないのか。」 と、一番はしゃいでた私よりひとつ年上の男(4人の中で最高齢)を咎めつつ退店する我ら。
しかし、全く懲りた様子のない足癖の悪い彼はまた事を起こしそうである。再度その場に居合わせないことを切に願う。
考察
確か、中野のカラオケ店でした。あの度の店員さんには本当に申し訳なかったです。
犯人はこの後、ひょんなことから永遠の花見友達になる人でした。残った後輩たちの言によれば、松田聖子さんの「赤いスイートピー」でテンションが上がった彼は、なぜかステージの上から助走をつけて、ドアに向かって飛び蹴りをしたとのこと。
そりゃ、ずれるよな…。怒られて当然だよな…。と酔いが一気に醒めていく私と対照的に、悪びれた様子もなくサラリと「生きてりゃそんなこともありますって。」と言ってのけた彼に畏怖の念を抱いたのでした。
そんな彼も昨年結婚し、そんな尖ったところがなくなり、すっかり尻に敷かれているような様子を見るにつけ、私も年を取ったのだと思うたのでした。