このブログの仕事を始めてからの記事で度々登場する「カカリチョー」。悪い話の暗喩として使われていることが多い気がしますが、果たしてその実態や如何に!?
カカリチョー
新人時代からおよそ6年間一緒に仕事をした上司の話をまとめました。私の偉大なる反面教師の一人でもあります。出会った時の彼の年齢に達して「ああならなくてよかった」と本気で思える存在です。
カカリチョーはプロジェクトチームの皆に嫌われていたので、私はその状況を利用し、自分は味方であり、理解者でもあるというように振舞い、美味しい汁だけ啜るという姑息なことをやっていたのですが、ある時本気で愛想が尽き、上司との面談時に「今のプロジェクトにカカリチョーは不要です。」と訴えたことでカカリチョーはプロジェクトから去り、関係が終焉しました。
今では別の部署、別の土地で働いているので顔を合わせる機会もございません。そのことに対して寂しいと思う気持ちも起こりません。
カカリチョー・ビギンズ
2009.3.28 社会人2年目
人事異動、体制変更の季節である。 僕の勤める会社も先日来期の体制が発表された。おやつブレイク時に、隣の席の先輩(30歳女性)と眺めていたらば、
シュニンがカカリチョーに昇進しているではあーりませんか!!
「えーなんでー?」 と、裏の動きを推測する僕と先輩。 「どのぐらい給料あがるのかな? 」と、お金の動きを推測する僕と先輩。
これは、たからねばなるまいて。
そのほかには、一年目に散々苦しめられた大嫌いな同期とまた同じ課になってしまったようだ。
しかも、今僕が入ってるプロジェクトに入ってくる可能性が大とか。(これについては話を聞いて、「いやですー彼と一緒にはたらきたくないですー」とちょっぴりゴネてみた)
まあ、この不景気。仕事があるだけマシなんだろうけど。
補足
私が入社した時、カカリチョーはシュニンでした。今はカチョーだったと思います。
無茶振りされて…
2010.6.6 社会人4年目
金曜日は半期に一度の部会だった。外部の会議室を借りて午後1時から6時までの長丁場である。なにをするかと言えば、部の各プロジェクトの代表者が持ち時間5分で壇上に立ち、報告を行うのである。
今年は部署が変わってから(仕事は変わらないのに)初めての部会であるのでなにかと新鮮だった。それはよかったのだ。
問題は今の仕事の報告に関してである。当初はカカリチョーがする予定だったのだが、お昼を食べているときに突然「今日の報告、トニーがやって」と言われた。
カカリチョーは当日になって、部の方針として「若手にやらせる」というのを聞き、
散々迷った末、この時間にこのような発言に到ったらしい。
「部会まで、あと30分しかないんですけど…?」
まあ、発表資料があるのであれば発表するに吝かではない。が、発表資料は印刷しておらず、見れるとしたら部会が始まってからと言う無茶振りっぷりのようだ。
とはいえ、社内の報告会だし、発表するのは若手ばかりらしいし、60点を狙うぐらいのことは容易とは思いつつ、あまりに急すぎる要求に安易に承諾するのも癪なので、駄々をこねてみた。
所謂、交渉である。「本当、悪いことした。」と思わせておけば、後々、なにかの切り札として使えるなー。と思ったのだ。
忙しさにかまけて、カカリチョーの部会発表資料を読まなかったのには、決して触れないように交渉し、結果、「本当、悪いことした。」と思わせることには成功した。
あとは、何が主題なのか、どんな構成であったか、何を言いたいのかカカリチョーからをヒアリングし、内容を整理しつつ、つかみを頭で考えつつ、部会に向かったのであった。
補足
割と若手時代は「無難にこなす」ということが得意でしたので、当日は特に問題がございませんでした。もちろん緊張はするけれど、失敗したところで何も失うものはないのですから。
たしか、この時のことをだしにして、いろんなものを買ってもらった気がします。何を買ってもらったのかは忘れましたけど、ジュースとかお菓子かな。
その次の部会にて
2010.10.13 社会人4年目
今日は半期に一度の部会だった。若手に発表させることがテーマらしいので、私達のプロジェクトの発表は、今のプロジェクトで一番若い一つ下の後輩が発表することになった。
あまりプレゼン系が得意ではない後輩なので、資料作成の段階から見てあげてたのだが、これがなかなかひどい有様だったのである…。
while (true) {悩む→書けない。}
という無限ループで遅々として進まないので、仕方なく箱組みを作ってあげて、書く内容を限定させたのだが、これが、中学生の作文のような完成度だったのだ…。
仕事の合間を縫っての資料作りであるし、そればかりやっているわけにもいかないので、私が語尾や表現を修正し、「それらしく」仕上げてファイルを後輩に渡した。
(もちろん、ユーモアの辱め入り 笑)
その後、後輩は無事にカカリチョーとジチョーに部会資料の承認を得ることができた。あくまで発表することが目的なので「話す練習は必ずしておきなさい」とアドバイスし、今日に至った。
さて、後輩の発表の番になり、資料がプロジェクターから投影されると、私が作った資料と違うものが出てきた。
最初は選択を間違ったのかと思ったが、どうやらそうではなく、隣に座っていたカカリチョーが背景を差し替えたらしい。
カカリチョー曰く、「見にくいと思って。」
秋を意識した赤茶系のきれいな背景に、薄黄色とピンクの文字の洒落た感じで作成していたのだが、(もちろん視覚テスト済)
画面には白地で右下に何故か山のイラストがある背景に差し替えられていた。
文字は中途半端に黒に直されており、残されたピンクの文字が見えない。
…台無しである。
「だからって、あんなダサい資料にすること無いでしょう!」
カカリチョーの言葉から数秒後、私の怒号が会場内に響き渡った。
補足
本当にセンスの欠片もない人でした。そしてすべての伏線や仕掛けをぶち壊していくクラッシャーでもあったのです。断りもなく改変するとは言語道断。このことに対して暫く根に持ち、いろんなものを買ってもらったのは言うまでもありません。
ああ、パフェを奢ってもらってたのよね。
キーボード打鍵音がうるさい
2010.11.8 社会人4年目
新しい作業場になって、作業机が一繋がりになったので、前々から激しかった隣のカカリチョーのパソコン打鍵音がさらに鬱陶しくなってきた。
不可解なリズムに乗った、音と振動のハーモニーである。
五月蝿いんじゃボケー!と、やんわり言ってみたところ、「よく言われるんだよな。。」と言い、ちょっとしょんぼりして、気をつけるようにしていたみたいだが、暫くすると結局元通りなのである。癖とはなかなか抜けないものらしい。
いい振動対策グッズ、ないですかね?
補足
打鍵音もそうですが、マウスのカチカチいう音、とガタガタスクロールさせる音も嫌いでした。神経質なのかもしれませんが、それだけうるさくしたのに全く仕事が進んでいないのも嫌だったな。
お前と呼ばれて
2011.2.7 社会人4年目
今日、カカリチョーに「お前はどう?」と言われて、なんか苛っとしてしまった。いつも名字で呼ばれてるので、違和感があって、また、言い方も悪かったような気もする。
そういえば自分では、「お前」という呼び方をあまりしないなと気付く。私は呼称に「お前」ではなく「君」を使用しているようだ。基本的に名前か渾名で呼ぶけど。
「お前」と呼ぶのはなにかと偉そうな感じがする。
補足
このときに「絶対に自分は他人を『お前』と呼ぶまい」と思ったからなのか、部下や後輩を『お前』と呼んでおりません。基本は「さん」付け、茶化してファーストネームかフルネームで呼ぶぐらいです。
あと、カカリチョーは自分のことをお客さん相手でも「俺」と言っていたのがとても嫌だったからか、私自身は「私」を徹底しはじめたのもこの頃だった気がします。
昇進祝いをしてもらった
2011.4.4 社会人5年目
今期、昇級したのである。同期より一足早く、一期上の先輩と一緒に上がった。
そして先日、カカリチョーがささやかな昇級祝いとして、僕と先輩に食事をご馳走してくれた。珍しいこともあったものである。
その席で何故か一杯目に1Lのビールを頼んだカカリチョーは、その選択にひたすら後悔していた。出てくる話題がそればっかりである。
おいおい。
珍しいことをしても結局カカリチョーはカカリチョーなのであった。
それでも、先輩が選んだお店は美味しかったので、料理に関しては文句なしであった。
ちゃんちゃん。
補足
結局、いいことをしても、器の小ささを部下に感じさせてしまうかわいそうな人でした、というオチで締めます。