結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

鬱憤晴らしのために居酒屋に来たら、唆されて電話をしていた件。

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2007.10.15 社会人1年目

 

携帯の画面を見ると、彼女の番号が表示されていた。

 

 

 

鬱憤晴らしのさし飲み

うろ覚えながら、レバ刺しのおいしかった店を探すのに30分ほどかかり、木曜だというのにその店は満席であった。

 

やむを得ず、他の店を探すもなかなか決まらず、ここでいいかと無難な居酒屋チェーンへと足を運んだ。

 

およそ1時間ほど歩かせてしまったものの、彼は嫌な素振りも見せず、にこやかに振る舞っていてくれた。こういうところだけは、本当にできた奴だと思う。

 

野球部に属している

先日、野球の大会があった。僕と彼は会社の野球チームに所属しているのだが、彼は研修があって出られなかった。僕は彼に嵌められる形でキャッチャーのポジションをやらされ、球の速い先輩の荒れ玉を受け突き指をしてしまった。

 

試合は負けた。惨敗だった。審判の判定が気にくわなかった。

 

その鬱憤を晴らそうと、彼を飲みに誘ったのだった。彼も当日出られなくて相当悔しかったようであったし。

 

酒はハイペースで進んだ。

 

陽気な気分と思わぬ展開 

僕は珍しく饒舌だった。話しているのがとても楽しかった。決して面白い話をしているわけではないのだけど、もの凄く良いことを話しているような気がしたんだ。

 

そして、気が付くと、僕はこうして携帯電話の画面に映る、彼女の電話番号を見つめていたのである。そして僕の親指は今にも通話ボタンを押しそうだ。

 

『彼女』と言っても付きあっている女の子というわけではない。僕が片想いの会社の女の子のことである。

 

なんでこんなことになったのだろうと、記憶を端から辿れるほどに冷静ではないらしいが、虫に食われたような記憶をつなぎ合わせれば、彼の仕業であることが容易に知れる。

 

冗談であるような本音であるような、「あの子に電話しちゃおうかな」と僕が言い放った後、彼は僕を言葉巧みに唆した。

 

こんな時間に電話して出るだろうか?僕からの電話に出るわけがない。何を話したらいいか分からない。

 

そんなネガティブな感情を、彼は独特の言葉によって一つ一つ昇華していき、昂揚する気持ちだけを残し、僕を追いつめたのだ。

 

そして、最後の一言を受け、僕は通話ボタンを押したのだった。

 

解説

7割方ノンフィクションのブログ小説チックな物語なのですが。読んでなかった人は目を通して以下をお読みくださいまし。

 

僕=トニーだと、思ってた人いますか~!?ネタバレというか、解説をすると彼=トニーなのですね。

 

なんかあらぬ誤解を受けていたのでちょっと確認したかったのです。どれぐらいの人が分かってどれぐらいの人が誤解をしていたのかしりたいなーと。

 

完全に騙そうとしていたわけじゃないんですよ。ちゃんと彼=トニーだと思わせる文章をちらほら書いたんです。

 

ちょっと解説をすると、①ではかまくらカスターを買ってくるのは広めたいトニー心理ですし。

 

彼は新人のくせに口が達者でのひとかたまりで、彼=新人というところをアピールそして新人のくせに奢らされている発言で僕≠新人でないことをアピール (僕≠新人だったら「同期」と言う表現で書いていたかなぁと。)

 

考察

と、丁寧な?解説記事もあったので『種明かし』として併せて載せておきました。

 

ちなみにこの先輩は2年目以降殆ど会わなくなりました。育休取得前に久しぶりに研修で会った際は、この当時の苦い?思い出が過るのか、あまりかまってくれませんでした。ああ、悲しい。