結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

ボクの町/乃南アサ 著

書評日:2006.7.22(土)

 

 

ボクの町

警視庁巡査見習いの高木聖大は、単純な性格が売り?の今風の若者。警察手帳にプリクラを張って怒られたり、怒りっぽい性格で注意されたりするも、めげずに勤務する。熱い上司や優等生の友達に刺激されながら成長していく聖大の3ヶ月間の物語。

 

本の解説と、物語の内容から、悲しい気持ちにはならないだろうと考え、旅行に行く時に持っていった一冊。旅行中にあれこれ考えさせられてしまうのは困っちゃいますからね。

 

警察学校を出て、3ヶ月間の実地研修に入った青年の物語。「怒りやすく、ワガママで、子供っぽい」「若者のステレオタイプ」を全て含んだような極端な人間につくられた聖大に、少し違和感を感じながらも嫌な気はしませんでした。

 

他の登場人物もあからさまに作られた性格と設定を持っていて、マンガのような物語の世界に欠陥が無かったのも好印象。

 

だからといって、おちゃらけた物語に終始するのではなく、警察官という仕事の大切さ、大変さを描く場面や、仕事中の場面、無線でのやりとりなどに、リアリティが感じられる。

 

読み終わって思ったことは、「誰しも聖大を構成する要素を一つは持っているんじゃないか」ということ。実際にいたら近寄りたくない、関わりたくないような問題児だが、文章で内面が描かれているから、微笑ましく思えてしまう。

 

人は分かって欲しいといいつつも、分かって欲しくないところもあって分かって欲しいという割には、決して分かってもらおうとしない。ワガママだよなぁなんてことを思ってしまいました。

 

考察

たしか、続編があるんですよね。調べてみたらありました。「駆け込み交番」という物語のようです。聖大が新米巡査になったあとのストーリーみたいです。

  

 

 

発売されたときに気になりつつも、「またあいつに振り回されるのか?」みたいな印象を抱いてしまって手を出せなかったのです。当時、同期の変な奴に振り回されていたこともあって…。

 

だいぶ主人公に対して好意的に書いていますけど、「こんなやついねーよ!」と思いながら読んでいた記憶があります。なんでこんな解説になったんだろう…。そこの部分をイマイチ覚えていないので、「駆け込み交番」とセットで読めということでしょうか?

 

警察官って大変な仕事ですよね。社会人になって、改めて警察や警備会社には勤めたくないなと思います。「やりがい」を感じるのでしょうが、危険もいっぱいありますからね…。