結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

ドミノ / 恩田陸 著

 

書評日:2006.10.21

 

 

ドミノ

 

東京駅を舞台に27人と1匹が駆け回る。それぞれの人物の行動が状況を左右し思いも寄らない展開に!?恩田陸の新しいチャレンジ!

 

この作品はコメディです。ツッコミどころが数え切れないほどあります。あまり考えすぎないように読みましょう。

 

以前消化不良だったので、この度再読。前回は登場人物が多すぎてうんざりだったのだけど今回はスッキリと読めました。頭の中でコメディ映画にしてみるとしっくりきて面白かったです。

 

 伊坂幸太郎氏のラッシュライフのように、どんどん主観が変わっていく作品。

 

なかなか無理矢理な伏線を引いたり、無理矢理な状況を作ったりするのが意図的に感じられてしてやったり感が漂っているのがいいです。

 

切羽詰まった無理矢理感が無くて肩の力が抜けた作風がいい感じ。

 

最初に登場人物のプロフィールと一言メッセージがあるのだけど登場人物が出てくるたびに自分で人物関係図を書いて読んでみることをオススメします。(なにせ27+1匹なので)

 

ノリがいいのと一段落一段落が非常に短いので速いテンポで読めると思います。人物関係などが分かっていればそのスピードに任せるままに一気に読めるはず。

 

コメディ映画がお好きな方にはオススメ。自分でキャストを設定して頭で放映してみてください!

 

考察

登場人物が多い物語に関しては、人物名・背景などを覚えるのが大変なのもあるけど、一人一人の物語が薄くなるんじゃないかという嫌な予感がする作品が多いですよね…。

 

この作品の初読時はその予感が当たって疲れてしまった記憶があります。それでも2回読むということは、何か惹かれるものがあったんでしょうね。2回目は楽しめましたよ!割り切って読もうと思って。

 

読後、社会人になって東京駅を経由して通勤することになるのですが、「これがこの物語で描かれた東京駅か!」と感動した覚えがあります。実家にいた頃は駅というのはそれこそ改札と線路(2路線)しかないものだったので、なんで駅に対してこんな物語が書けるのかと不思議に思っていたのです。

 

それが、こういうわけだったのか…。と田舎者丸出しで驚いたのは懐かしい思い出です。「ダンジョン感」満載の東京駅でドタバタ劇をかきたくなるのもむべなるかな。