結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

退屈の花 / GRAPEVINE

 

2005.3.11(金)

 

 

退屈の花

GRAPEVINEのファーストアルバム
1stにして3rdぐらいのクオリティと評されていました。
ジャケットも感じ暗ーいですね。
メンバー4人が暗ーいですね。


家にこもってブツブツこそこそやってそうな感じが漂うジャケット
どういうコンセプトだよ?ジャケット買いできません。そんな第一印象。


Hereのジャケットはかっこよかったので、この退屈の花のジャケットはビックリしましたね。
ジャケットで決めるもんじゃないってわかってますけど。でも、ミニアルバム出してるとはいえ1stですよ。ジャケット買い客も狙わなくちゃいけないとは思うんですけどねー。

 

でも、ジャケットと違って、音はギターのアンプ通したまんま生音のような音が中心の純正系。このギャップで不意に引き込まれてしまうのを狙ったのかもしれない?


Here、Lifetime、と聴いていったらサーキュレータが出て、そっち聴かずに退屈の花を聴きました。サーキュレーターを借りたのはこれを聴いた3ヶ月でした。
何故かって問われたならば、この退屈の花がよかったからです!
ってしか答えられない。

 

サウンドの変化が怖かったとも言えるかも…

 

それまでアンプ通してまんまの生音を聴く機会が乏しかったわけですよ。
ビートルズストーンズとかはなんか別次元に感じるので例外として、その当時で生音にゲットバックして聴かせてくれるバンドをまったく知らなかったわけですから、すごく新鮮でした。

 

このアルバムに関して「同じような曲ばかり」って言う人がいますが、逆に捉えれば同じような良い曲ばかりつくれるんですね、つまってるんですね。

 

まあ、この類の批判はどのアーティストにもついてまわる批判なんですが…。アンチなのだか、ただ一聴して耳になじまなかったのか、深く追求するのは避けますが。


声が細い、一般うけしないなどなど... 様々な批判ありますが、それは1stであるという意識を忘れて批評したものではないでしょうか?どちらの批判にしても、それでいいっちゃいいんですけど。


ということで1曲1曲の感想を

  

お気に入りLv6


サビのねちっこさがなんとも言えません。
ベースラインがねちってるし、ビートルズのレインを聴いてる途中で起こるスローモーション効果と同じです。
サビのあそこだけスローになる、不思議な感覚。
歌詞は恋を鳥にたとえてるんかな~、うーん。

 

君を待つ間

お気に入りLv7


シンプル、ギターポップよりです。
シンプルなんだけど、ねちってる。

このアルバム全体で言えることなんですけど、ボーカルに負けずベースがねちってる。
2ndからはあんまりねちってない…。
曲に合わせるためかな~?それともやっぱりジストニアの影響なのかな~?

サビのハモリが心地よいです。
細いから厚くなってきこえるし、エコーで伸びやかになってます。
高くて細い。その難点をうまーくアレンジによって克服しようとしている。
人気ありますよね?この曲。

歌詞は、他のに比べてややわかりやすく、わざとわかりにくく歌ってる。

「君を」が「君が」にきこえるのは気のせい?

 
永遠の隙間

お気に入りLv6


最初グルーヴが変ですよね。
音もビートルズのワイルドハニーパイみたい、ちょっとちがうか。
ホワイトアルバムみたいな実験的エッセンスがありそう。

ポップよりなんですけど、ひねくれてるみたいな。
歌詞もまた複雑な感情を綴り、ここも文学青年と言われていた所以ですね、ここらへんも。

 

遠くの君へ

お気に入りLv9


今聴きたい!今のクオリティで聴きたい。
前も言ったかも知んないんですけど(言ってないか)、
バインが再レコーディングしてベスト出すっていう話になったら、
これセレクトして欲しいですね。

サビのハモリとグルーブ最高。
この曲のグルーブってミディアムハイで疾走したいんだが、
4拍子でブレーキ踏んでる感じ。
そのブレーキングが非常に心地いいんですね。初期の傑作の一つですね。

歌詞も微妙にストレートだし、ギターロックですね。
でも上げきりそうで上げきらないところがバイン。


6/8

お気に入りLv6


チップス?あれは5か

SUNにつながる曲調。
特に思い入れはないんですが、ひねくれぶりは変わらず、
僕らを包み込んでくれますね。
サージェントペパーズのミスターカイト…っぽいところが途中にでてきて、
おおっ!とおもわせてくれました。 


カーブ

お気に入りLv6


through time の流れをくんでいると思われます。
カーブを疾走したいんだが、4拍に1回ブレーキ踏んでますよね?
でベースがうねるうねる。

題名からしてそうなんですが、ドライブ中を想定しつつ、
それを例えにして、恋の話を唄にした感じですかね?

 

涙と躰

お気に入りLv7


現在に至るまでにこの曲調がどんどん洗練されていきますね。
坂の途中からこれを経由し、白日にいたり現在ではそれが十分に生かされております。
これが原型ですよね、歌詞にしたって進行にしたって、それをエフェクト少なにやってのけた。

 

世界観はこの時点で構築されてますし、根岸さんと会って十分に表現する力を与えられたんでしょうね。あとフィールドとスタンスもか。 


そら 

お気に入りLv7


ファーストシングルにしちゃちょいと地味目じゃないですか…。

でもききこむとかなりいい曲です。
聴くたびに違う「そら」が浮かびます。
雲が点々としているそらであったり、曇りそらであったり…、でも快晴はないなぁ…
だいたい朝から昼にかけてのそらだなぁ。

そらの深ーい青に雲の白を薄ーく伸ばした色が思い浮かびます。
あと、オレンジジュースが何故か浮かぶんだよなぁ…。

白昼夢がテーマ?とか思ったりしますが、
ふと空を見上げたら、やっぱそらは広いなぁって思った曲なんじゃないんでしょうか。

 

でも、1stにするんだから何かもっとバックグラウンドがある気がしてならないんです。

  

1&MORE

お気に入りLv7

 

歌詞の一部をトラックバック(じゃないか)してある曲です。
女言葉が似合ってしまう田中さん。
また、その疾走感がしっくり来る曲です。

 

アルバム全体通して田中さんの声より、
全体のアンサンブルの方が耳に入ってくるアルバムなのですが、
この曲では田中さんの声に耳が行きますね。

 

10、愁眠 

お気に入りLv9


先ほど言った、「バインが再レコーディングしてベスト出す。」
って話になったらっていうやつに入れて欲しい曲の一つ。

 

生音のすばらしさ、そして切なすぎるメロディー。
まさにタイトル通りの歌詞。
そこにひねくれのエッセンスが加わっていてとても素晴らしい曲になっています。
歌からはいるのもダイレクトに胸に響いてきて、とてもいい展開。
隠しトラック「熱の花」につながることに違和感のない最高の曲。むっちゃ好きです。

 

ただ、サビの部分でちょっと切なさを前面に押し出すあまりなのかわかりませんが、
ダマになってしまっているのが残念です。

 

ちょっと聴く分には全然気にならなかったのですが、
何百回聴いたかわからないぐらい聴いてたら、ほんのちょっと違和感感じてしまったんです。

 

多分今この曲をやったら絶対超完璧なものになる!だからライブで見たーい!


隠しトラック 熱の花

 

「ごわごわごわごわ」というエフェクトからとても暑いところを想像できます。
で、もりあがる演奏。

アルバムの最後を切なさいっぱいの愁眠で終わらせず、
意味深なこのサウンドで終わらすという、バインのひねくれ王道。
アナザースカイ以外全部でこのような終わり方してますものね。

これが、何度もリピートしてしまう魔力。

 

考察

生音生音言ってますけど、このアルバム、生音アルバムではありません。当時の私の理解か表現が至っておらず、音をコーラスやディレイなどで加工していないもの=生音と称していたのだと思います。

 

確か、数年前にTRICERATOPSとのファーストアルバム再現対バンツアー(IN A LIFETIME 2016)みたいなものがありまして、そこでこのアルバムを通しで聴いたのですが、なんというか全然ハマらず。まさに「退屈」してしまった記憶があります。

 

あのツアーはTRICERATOPSの方が勝っていたというか、両者の1stアルバムの「勢い」がそのまま出ていた気がします。

 

もちろん演奏は円熟味を増していて、1曲1曲は素晴らしかったのですが、通しで聴くと現在のようなライブのドラマティック展開が無く、淡々とした曲が続いてしまうからなのでしょう。

 

最近は追わなくなったからというのもありますが、バインに関しては一時期「昔の方がよかった」みたいな声があったみたいなのですが、私は現在進行形の方が好きです。