2012.1.18(水) 社会人5年目
謝礼を獲得するまでの経緯を話さねばなるまい。いや、話したいのである。大変恐縮であるが、お付き合い願おう。
アイコンコンテスト
昨年末、総勢200名以上が参加するプロジェクトのメーリングリストに、現在開発中の次世代システムのアイコンを募集する旨のメールが配信された。応募可能な有資格者はメールを受領した人であり、私もその中の一人に含まれていた。 「採用者にはご褒美」という一文に心躍り、私はアイコンを上梓することにした。
しかして考えてみると、私は学生時代より芸術的価値のあるものの創造に長けておらず、まともに応募したところで落葉のように扱われるだろうと想像されたため、心に残る一作品として見る者に楽しんでもらえるようなアイコンを作成することにした。「こいつめ、ハハハ」という心意気で間違って採用されることを期待して。
そうして仕上げた一枚がこれ(諸事情により非表示にしました)である。昼休みにせっせとこそこそ仕上げた愛溢れる一枚である。お客さんのプロジェクトマネージャーの写真を白黒にし、髭を書き加えシステムのイニシャルMを添えた。 私は仕事納めの日に共有サーバの応募フォルダに格納すると、誰にも告げずに田舎に帰り、その反応を待った。
優勝者発表の日
年明け、採用アイコン発表の日に、メーリングリストに次のようなメールが流れた。
募集期間を延長しようと思います。以前に申し上げた通り、著作権にふれるものは対象外とします。 なお、肖像権にふれるものもNGです。。
プロジェクトマネージャーからのメールである。私の渾身の一枚はNG扱いとされてしまったようだ。しかし、一定の笑いは誘ったようで、 喫煙室で協力会社Aさんが「投票で決めるんだったら、あの○○さんの顔のやつにしますよ!」とプロジェクトマネージャーに言ったところ、「勘弁してくれよ…。あれにするんだったら絵心ゼロの俺が作るわ!」と一同の笑いを誘ったやりとりがあったことを聞いた。
延長されたので真面目に描いてみる
さて、募集期間を延長した理由を疑問に思い、応募された作品を見てみると、クオリティの低いものと著作権に触れそうなものばかりであった。
システムの略字名称が、某企業の某キャラクターの名前なので、そこから連想されるもので溢れているのである。 「もしかしたら、全然そのキャラクターを連想させない硬派なものを一枚仕上げれば採用されてしまうのでは?」という考えが頭をよぎり、私は帰りの電車の中でイメージを膨らませ、家で真面目に書いてみることにしたのだ。
そして出来上がったのがこれである(諸事情により非公開)。シンプルにロゴ的に仕上げてみた。「某企業のキャラクターを全く連想させない」と考えると、地味目でそこに無い色を使って仕上げることしか思い浮かばなかったのである。
結果発表
結果発表は昨日だった。アイコンコンテストの結果発表が行われ、見事に私の応募したアイコンが採用された。そして本日ご褒美として謝礼が手渡されたわけである。 私の心は嬉しさと、「本当にこれでいいのだろうか?」という申し訳なさとで半々である。
ちなみにこのアイコンが使用されるシステムは、世界中で使用されるため(企業内システムなのでユーザーは限られるが)私の手元から世界へ飛び立つと思うと、少々感慨深くもある。
考察
今でも運用しているシステムですし、著作権は応募=譲渡したので公開は控えますが、初めて書いた割にはうまく描けたアイコンでした。
しかし、この後アイコン化するにあたって大変な苦労がありました。そういった作業に関してズブの素人だった私は、仕事の合間に一から勉強することになったのです…(そこまで苦労する作業ではないのだけど、ゼロからのスタートだったので割と時間がかかりました)。
謝礼は図書カード1万円分だったと記憶していますが、その後の作業にかけた時間を考えると割に合わなかったような気がしています。