結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

ネイキッドマン・リブスフォーエバー

2005.10.6(木)

 

 

なにもなにも
あなただけが通る道ではございません
あなたはこれでまた一つ成長したのです。

 

この話の続きです。 

young.tonymctony.com

 

 

ネイキッドマン・リブスフォーエバ

「さみぃさみぃ…」と言いながらOは震えていた。


シャツをリヴァースアウトプットで汚してしまったため、汚れたシャツを脱いで上半身裸でずっといたのだから無理もない。

 

なにかに気づいたネイキッドマン

「店の電話番号しらねえか?」

 

何かに気づいたようにOが言った。彼は昨日飲んだ店に上着をおいてきてしまったというのだ。上着の中には財布に携帯、各種鍵が入っているらしい。上着がないと彼は家に帰ることはできない。

 

「店、もう閉まってるから電話してもでねーぞ。夕方にならないと、店開かないぞ。」
Mが笑いながら言う。

 

愕然とするO

 

しかし、僕は知っていた。Oは帰るときに上着を羽織っていたことを。そしてそれがハンガーにかけてあることを。

 

だが、面白いので黙っていた。Oがショックでそこに座り込むのを見て笑いをこらえられなくなった。

 

思い出したネイキッドマン

しばらくしてOは記憶を辿り、上着をハンガーにかけたことを思い出したようだ。上着を手に取るとOに安堵の表情が浮かんだ。

 

そしてそれを颯爽と羽織るO。


先ほどまでの、醜い中年肉体をさらけ出すよりも見栄えはよろしくなったが、これもこれで滑稽である。

 

「さみぃさみぃ…」


やはり、上着だけでは肌寒いようだ。僕はヲサに毛布を差し出した。

 

回想後

そんなことを思い出しながら、僕は外で友人Hと話していた。

 

「今日からどうする?」
「学校始まっちゃうね。」
「めんどいね。」
「単位取れてるかなぁ?」

 

Mは僕らと外に出たのだが、Oの様子を見に中に入っていった。そして数分経ってOからのメッセージを伝えに戻ってきた。

 

「Oが『何で誰も戻ってこねーんだ!?』っていってたぞ。」

 

会話を切り上げ、仕方なしに部屋に戻ると石鹸臭が漂っていた。

 

「石鹸の匂いでよかったー。」

友人Hがホッとした表情でそう言うと、

「いや、臭いが分散されただけだぞ、逆に気持ち悪い。」

と、Mが怪訝な表情を浮かべる。

 

臭いをこらえて寝室を覗くとOがパンツ一枚になり、せっせとリヴァースアウトプットの処理をしていた。

 

帰り支度

その一生懸命さと、パンツ一枚という滑稽さに僕は吹き出してしまった。

 

「クリーニング代を請求するんだよ。」

友人Hにそう告げると、僕は帰り支度をし始めた。

 

寝室からOの声が聞こえる。

 

「みんな、飯食いいこうぜ!俺が奢るからさ、な?、な!」

 

そんな彼の発言を無視し、Mは空気の「まずさ」に少し体調を悪くしていたらしく「H、俺までここで吐いたらまずいから、帰るわ。」と青白い顔で告げ、私と共に帰路に着いた。


そのあとOと友人Hがどうなったかは知らない。

 

考察

なかなか滑稽な状況だったので、思わず写真も撮影してしまいました。あまりに醜くそして汚いので掲載することは避けますが、生涯で最もインパクトのある写真のうちの一枚だと思っています。

 

この後、Oと友人Hは「すき家」で牛丼を食べたそうです。リヴァースしたあとによく食べられるなと思いますが、若さ故なのでしょうか?

 

そういえばOはこってりした丼飯が好きで、社会人になって私の家に1週間ぐらい滞在したときも「すた丼」に行っていたことを思い出しました。青森にはなかったらしいので、食べられて嬉しかったそうです。

 

友人Mは今では交流が途絶えてしまいましたが、とても頼りになるいい人でした。友人Hは数年前に結婚しようと思っているという話を聞いてから全く音沙汰がございません。

 

大学卒業から10年、「あの頃共にリヴァースアウトプットスメルの中にいた私たちはそれぞれ違う道を歩み、そして遠く離れて行っている」という当たり前のことに気づき、寂しいような誇らしいような不思議な気持ちになりました。