レビュー日:2007.3.4(日)
TOMMY
「ザ・フー」のロック・オペラ「TOMMY」をミュージカル映画にした作品。ザ・フーのボーカリスト、ロジャー・ダルトリー主演。
TOMMYのCDレビューはこちら
日生劇場で今月中旬に始まる、いのうえひでのり氏演出のロックオペラトミーを見に行こうと思い、チケットを検索してみたところ…A席が9000円!!
想定より高すぎるので、映画を見直すことで我慢しました(笑)
結構、笑えるシーンがたくさんあるんです。ネタに見ておくのもいいかもしれないですね。散々な感想ばかり出てきますけど、映画としては「まあまあ見れる方」だと思います。
ザ・フーのメンバーの他にエリック・クラプトンやエルトン・ジョンも出演していますね。
基本は元のアルバム「TOMMY」の曲が、ミュージカル風にアレンジされて進行していきます。アルバムと曲順が違っているものもありますし、歌詞の内容が変わっているものもあって面白かったです。
アレンジされていることに関して、当時の批評では「オリジナルと映画とは解釈が違う!(オリジナルで言いたいことをちゃんと解釈していない!)」というものもあったようです。今となってはどっちでもいいと思うのですが…。
自分の解釈としては、簡潔に言うと「人に頼ってばかりではいけないよ。」ということが言いたいことなのだろうと思っています。オリジナルも映画も。でも単純に「自立しろ」と言うのとは微妙に違うんですよね。「自分で正しいものを見極めろ」って感じなのかなぁ。
「正しいものを自分で見極められなかったままの人間」が、頼っていた人(操作していた人)を失ったときどうなるのか、間違いに気づいたときにどうなるのか。そういったものを描きたかったのかな?
詳細についてはネタバレになってしまうので、本編を見てのお楽しみなのだけど、想像していただけるとおり、ハッピーな展開ではないんですよね。
教訓映画ともちょっと違うけど、なにかしらのメッセージ性が感じられる映画でした。
考察
映像の断片は今でも思い出せるぐらい、衝撃が強かったです。当時はいろいろと書いていますが、率直な感想は「ロジャー、頑張ってるな」でした。
ザ・フーやエリック・クラプトン、エルトン・ジョンが出ているので、好きな人が見るのにはいいけど、全然知らない人が見てもあまり楽しめない映画なんだろうなと思っています。おすすめしたいか?と問われれば「否!」と即答する作品だし。
私はこの映画版の音楽よりも、オリジナルの方が好きです。