結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

Village Green Preservation Sociaty / the Kinks

レビュー日:2007.5.19(土)

 

 

Village Green Presarvation Sociaty

音楽シーンがハードロックやサイケに向かう時期に発表された、アコースティック色の強いキンクスのアルバム。名曲揃いだが、時代が時代だっただけに、セールスがイマイチに終わり、レイ・ディヴィスを悲しませた。

 

アルバム「サムシング・エルス」はWaterloo SunsetやDavid Wattsなど飛び抜けた曲はあるものの、アルバム全体を通してのまとまりは薄かった。

 

しかし、本アルバムはイイ曲がアルバムとしてのまとまりをみせ、アルバム通して聴くと、それぞれが輝くようにセットされている。

 

アコースティック調というと日本のフォークロックを思い浮かべてしまい、敬遠がちなのだが、この年代のフォークロックは全く違う。さわやかで、キラキラしてる。

 

そこにレイさんのやさしい声と、紳士感漂う英国調の音楽をちょっぴり茶目っ気で崩したような音を加えられたら聴き入るしかないよね。

 

レイさん率いるキンクスでしか出せない味のあるアルバムです。

 

ちなみに1曲目Village Green Preservation Societyは大名曲。レイさんの魅力が一杯つまってます。2曲目Do You Remember Walter のメロディアスな感じがGRAPEVINEっぽい。

 

考察

その昔、ケロッグチョコワからメルビンが消えたのを悲しんで、「ウォルターを覚えているかい?」の替え歌「メルビンを覚えているかい?」を録音して動画配信サイトにアップしていたことがあります。いい時代だったね。

 

そんな「いい時代」を懐古したような作品が本作だったと思います。デビュー当時のキンキーサウンドは鳴りを潜め、牧歌的でアコースティックな面を前面に押し出した作風は、デビュー当時のファン離れはあっても新たなファン層の獲得には至らなかったのかもしれません。

 

それでも、キンクスにとても「合っている」音楽をやったアルバムでしたし、この路線の継続がロンドンオリンピック閉会式への道に繋がっていったのかもしれません(飛躍しすぎ?)。