レビュー日:2006.11.11(土)
ビクター移籍後初のアルバム。通算5枚目。シングル「2020」「Fly Away」収録。和田唱の歌の上達ぶりに注目。
A Film about the Blues、King of the Jungleでの迷走がファン離れを引き起こし
セールス的に伸び悩んでいたこともあり、エピックからビクターに移籍して初心に帰るつもりで制作されたアルバム。
架空のテーマパークを描いたジャケットが素敵。ジャケットは一番好きなアルバム。
DAWN WORLD
全編、オマージュの要素が強いと思います。それを意識して制作したってちょっとでも言っておけば良かったのに「初心に帰って音楽を作りたいままにつくった」ような発言をしていたので、誤解を招くなぁと危惧した覚えがあります。「初心というのははコピーバンドかい?」とつっこまれないかと。
吉田氏と林氏の歌も入ってるしやれることをたくさんやろうとしているのが伝わってきますね。色々な音を取り入れたので、ライブでどうやろうか迷ってるとかインタビューで見たことがあります。
3枚目や4枚目に変に意識して、自分らしさを誤解釈してしまった曲があったのですが、このアルバムはプレッシャーから解放され、のびのびと演奏している様が、思い浮かべられるのがいいです。
Fly Away
シングル曲。ブーストエフェクターしか使わなかったのにディレイを使っていて驚きました。
確かテレキャスでとった曲。
ノンエフェクター&レスポールの自らを自らで縛り付けていた印象を取り除こうとした曲。
アルバム買うと、この曲のプロモDVDがついてくるのでした。プロモは…ねぇ(笑)
2020
シングル曲スマパンの1979へのオマージュだと思っております。和田氏の歌の成長ぶり歌い方の変貌が実感できる曲。このバンドはもともと意外にミディアムバラードが上手いんですよ。吉田氏のドラムのおかげで。
和田氏の歌の成長により、バラードが更に上達しましたね。エフェクターも解禁したしバンド音に深みを出すのに成功した曲。
Couple Days
シングルFly Awayのカップリング曲Life goes Onに似ている。同じフレーズで2曲できてしまったのでしょうか?セカンドの雰囲気を持ったポップソング
サビのメロディがいい。アップアップになりそうでならないところがグーです。
New Lover
アコギの音色がカッコイイ。ただ、メロディー部分があまり好きじゃない。でも、曲の流れとしてここにこの曲を持ってくるのは凄くバランスがいいですね。
本当に色々なことやってるアルバムですから。
Heaven
これまでになかったバラード。意外にしっくりくる。和田氏はこういった曲を書かないように自分で意識していたものと思われます。
「どんな曲を作ってもいい」と思えたからこそできた秀作。
Change Your Life
歌詞見るまで「イパグチェンジ」ってなんだろうって思ってましたよ(^^;あと「ミックジャガー」が「肉じゃが」にきこえたり、歌詞見ると聞き違いがたくさん発見できる曲。
リフモノでメロのユニゾン&サビのポップさにトライセラらしさを感じます。
Broken
こんな曲にも試みてみました!って曲。正直、あんまり好きじゃないけれど、和田氏はどんな曲でも作れちゃうなぁって思わされる曲。
好きになれないのは曲調が単調だからかもしれない。
スカルの柄
結構人気高い曲なのではないでしょうか。スカルの柄の物は嫌いですけど、この曲は好きです。
Change Your Lifeと同じくリフモノだし、ハモリの部分もメロディアスだし今やってる音楽の初期ですね。完成度は高いです。
Be My Baby
ビートルズのPenny Laneへのオマージュと思っております。ブラスの音がメルヘンチックでおもちゃ箱の中を覗いたような世界観を構築していてすごく聴いていて楽しくなる曲です。
Waiting for You
ビートルズのBlackbirdへのオマージュと思っております。だってほとんど一緒なんだもの(笑)
このアルバムが出たときのツアーに行った友達が鳥肌モノだったと言っておりました。ライブで聴きたい一曲。ライブDVDでも見れますね。
Driver
ずっとこの曲の題名をゴルフのドライバーだと思い違いをしてました(^^;本気で「林さんゴルフが趣味なのね♪」なんて思ってた。歌詞でハンドルって言ってるのに…。
曲はまあまあかなぁ。
Old Lighter
吉田さんの曲。林さんより歌がちょっぴり上手いかも?最後、声が出きらなかったところもあるけれどご愛敬で。
雰囲気はすごくいい曲です。
Finally
ライブでも人気の高い一曲。お洒落系トライセラ路線。リフじゃなく、コードで作られた曲なんだけど、コードの進行に非凡さがあって売れ戦狙って作られたバラード感が無い。
伸びやかに歌う和田氏は、本当に歌が上手くなったなぁと感じる。(他のメンバーの曲が2曲続いたせいもあり 笑)
そういえば、和田氏が4枚目のアルバムの歌い方は嫌いとか言ってましたね。自分を見つめ直し、歌い方を一から構築し直したんでしょうね。
Diamond Girl
マイケルジャクソンへのオマージュ曲だと思われます。違和感がなく受け入れられるところが好印象。中間部はビートルズ。
踊れるロックンロールを掲げてつくられた4枚目は結局中途半端に終わってしまったけれど、作りたいときに作るとこういう曲ができあがるんですね。
総評
14曲ともバラエティ豊か(豊かすぎ?)
他のメンバーの歌も、このアルバムなら入っててもいいでしょう。セールスとか名盤にしたいとかそういう考えで作られたのではなく、作りたくなったから作ったものでしょうから。
リリース時、トライセラらしさがなくなったとか酷評されていましたが今では再評価されている気がしますね。僕は、リリースされたときから好きだったんですけどね。アルバム3、4枚目があんまりだっただけに。
このアルバムがあって移籍後の方向性が見つけられたから今のトライセラがあると思っております。
どんなことをしても3人で音を出している限りはトライセラトップスなんですよね。
解説
このレビューから「お気にいりLv」なるものが消えてるんですね。
確か、和田氏が前作「King of the Jungle」の頃の自分の歌い方が嫌いと何かで発言していました。その発言を受けてこのアルバムを改めて聞いたとき、肩の力が抜けていい感じに歌えているなと感じた記憶があります。
私はビクター時代のアルバムがどれも好きです。というか、ビクター時代のアルバム以外は好きじゃないかもしれない。