2005.6.13(月) 大学3年生
アルバムについて
記念すべきGRAPEVINEデビューミニアルバム
なかなか強烈なジャケットに、地味ながら聴かせてくれるサウンドと田中さんの声のねちっこさの調和を楽しめる。
実はこのアルバムを通して聴いたのは「アナザースカイ」が出た後でした。ライブ盤で「覚醒」はきいてましたが、その他の曲は聴いたことがなかったんですね。
ミニアルバムって買うにしても高いし借りるにしても勿体ない感じがするので、いつか聴こういつか聴こうと思って、ようやく、TSUTAYAで会員証更新したときにレンタル割引券貰ったのでそれ使って借りました。
感じられたのは、暗い…ってことかなぁ。曲名見ててもそう思うんだけど、歌詞見て来ちゃったんだろうね、この曲脳内戦闘してないかい?って。
退屈の花より暗いですからね、曲数のせいもあってか。サウンド色はあまり変わらないんだけど、貫かれるマイナスブルージーな感じが暗さの要因ポップになりきれないひねくれみたいなのもあって、若さを感じます。
歌詞も作り込んだなぁと。今の世界構築するまでの過程としてここらの歌詞は欠かせない。コレはリアルタイムじゃないので、あんまり出した状況とか、その時のメンバーの佇まいとか分からないんで、多くは語れないのですが感想を
覚醒
お気に入りLv6~8
※気分によって聴きたいレベルが変わるので。
ドカドカドラムでスタートする疾走感…じゃねぇなミディアムテンポなのでタメがあるんですよね。勢いよく坂道下ったら微妙な上り坂だった感じの。
荒いなぁ、コレがスタートだったんですよね。生音+文学。歌詞がなかなかいいとこついてるんですよ、若年世代の苦悩。いやいや、すごいこと書くなぁと。
ギターソロに入る展開が好きです。ソロもいい感じです。ベースが田中さんの声に負けじとネチネチしているのも気になって良いです。声もベースも歌詞通りネチネチ。
ライブでは必ずやるんでしたっけ?
手のひらの上
お気に入りLv6
うわー、後ろ向き…。ギターは音が弱くで厚みが感じられない、けどベースがそれカバーしてるのかな。それで微妙なセンチさがでてる。
でも、センチソングになってる訳じゃなくてポップにするか微妙なところで揺れてる。
途中でハーモニカ入ってるところなんてセンチっぽくないですか?
グルーヴが出そうで出てないところに若さを感じます。歌詞はすごくいい。後ろ向き共感、そして聴いた後のごろーんてなっちゃう気怠さといったら…
恋は泡
お気に入りLv6
サウンドでは胸キュンポップソングなんですが、そうならない中途半端さがこの曲の魅力。声が、伸びるんだけど深みがないなぁという、若さですね。
歌詞がなければポップですよ。歌詞が暗すぎて共感できるところもアリアリで「ああ。僕もマイナス派の人間なんだな」と妄想少年ぶってみました。
今ライブでやったらカッコいいんだろうなぁ…
through time
お気に入りLv7
この頃の声にあっている曲。ここまでの流れから来るとは思えないサウンドには驚かされた。サビのグルーヴ感がうねっていれば、メロでのジャジーなサウンドではリズムを上手く刻んでいる。
艶やかですな。
飽きさせない構成で、ラストのジャムりはライブではずっと続けてくれそうな感じがしていいなぁと思います。今では田中さんの声がもっと艶やかに響くんだろうなぁ…
paces
お気に入りLv9
こんな曲を持っていたとは…と。作曲者西川さん。
あのお方はひねくれまくった曲を作るんじゃないんだよなぁ、望みの彼方みたいな曲も作れるんだよなぁ、初期ではこんなのも作ってたのかと、改めて感動。
打ち込みドラムみたいなのが雰囲気だしてるんだけど、ちょっと音がしょぼい気が。でも、この吸い込まれそうな曲の流れはバイングルーヴってやつでしょうね、ギターが駆け回ってる感じとかベースがねちっこくうねってるとか、田中さんが奇妙な歌詞を歌い上げてるところとか。
ラストのもの悲しさは例えようのないメランコリーのなかに暖かさを見いだしている感じ。繰り返しでもいけちゃうのは、展開のかっこよさもあるけれど、落ち着きがそこにあるからだとも思いました。
まとめ
まぁ技術はデビュー作なんでしょうがないんですが、曲群は今でもやるように高水準のクオリティ。コレを聴いてバインの懐の深さをまた思い知らされました。
しかし、「覚醒」ってかっこいいよなぁ…漢字も読み方も。で、バインだからかっこいいっていうのもあるんだろうなぁ。
ただ全曲リピートは勘弁。窓の外がたまにモノクロに見えて、自分の部屋が艶やかになったりしますから!
考察
何かのツアーで、このアルバムを通しでやった際に、「ここまで成長したか!」と偉そうに思った記憶があるのですが、何のツアーだったのか忘れました。
最初期の曲も色褪せないです。今となっては全然意識して聴かないのだけど、たまにipodでランダムで現れても、合わないことにイライラしないですから。
ファンクラブの会報かなんかで「普通のデビューをしたくなかった」というような理由で、ミニアルバムでデビューしたというようなことを話してましたし、ファーストシングルが「そら」という、いいメロディなんだけどダラダラ長くて地味な曲だったことといい、なかなかに捻くれてるバンドという印象ばかりあるようですね、世間では。
それが、未だに「GRAPEVINEと言えばこの曲」と言うのが出てこない「良点」なんじゃないかと思っています。