レビュー日:2007.1.6(土)
Ogdens Nut gone Flake
モッズファンに支持されるバンド「スモールフェイセズ」がサイケの要素を取り入れた名盤。ミュージックシーンにおいてコンセプトアルバム全盛の時代の作品であり、B面は空想上の人物の物語になっている。
ビートルズのサージェントペパーといい、ピンク・フロイドの原子心母といい、フーのトミーといい、どうやら自分はコンセプトアルバムが大好きらしい。
1曲目にこれからやりますよーみたいな曲を持ってこられるとそのアルバム全体が好きになってしまう。(例外はあるけれど)
ということでこの作品も1曲目がこれからやりますよー的でなおかつコンセプトアルバムなので最近借りてきたのですが、結構気に入りました。
モッズはモッズでも、フーが作られたモッズなら純然たるモッズのスモールフェイセズ。コンセプトアルバムにするとその差がはっきりと明確になりますね。(フーはファーストアルバムの時期しかモッズぶってないのもありますが)
B面のコンセプト部分は最初に物語のあらすじみたいなものが入ってから曲がはじまります。つながりものなのだけど、曲と曲を分ける面白い作りになっています。
1曲目のOgdens Nut Gone FlakeがA面のオープニングで7曲目のHappiness StanがB面のオープニングになっています。1枚で2度おいしい、凝ったつくり。
A面もB面も、モッズミュージックなので音的にはたいして変わらないのですが、B面の方がサイケ色が強いです。ゾンビーズ的ハーモニーの多様による、牧歌サイケ。
曲的には小粒揃いでして、あれこれ言えない魅力が詰まっておりますが、やはり、1曲目のOgdens Nut Gone Flakeにやられます。アルバム全体で38分と短いのでこの曲で後々までテンションが維持されるし。
ということで、コンセプトアルバムの1曲目にやられてしまう方、キンクスの牧歌的な感じやゾンビーズのライトサイケがお好きな方にはオススメです。
考察
いいアルバムですよね。1曲目「Ogdens Nut Gone Flake」のサイケなインストから、2曲目「Aftergrow(Of Your Love)」のアツい曲への流れが最高で、この2曲だけでも、このアルバムを聴いて良かったと思えるぐらい素晴らしいのです。
Small Facesといえば、Sha La La La Leeが有名ですが、ああいった「元気ソング」は何度も聴いていると疲れてしまいます。それに比べてこのアルバムは何度も通して聴きやすいアルバムです。単なる個人的趣味ですが。