2010.3.28 社会人3年目
本を買うためにレジに向かった。会計をしている人はおらず、丁度よいタイミングだった。
本を買う
カウンターに本をそっと置く。レジに立っていた古参の雰囲気を持つ女性店員は、何らかの作業をしていたようで私に気づいてくれなかった。
気配を消してるつもりは無いのだが、目前の作業に集中しているのか、正面に立っているにもかかわらず、気づいてもらえない。
ここまでは良くあることなのである。慣れっこなのでちょっぴり面白がる余裕もある。
しかし、気づいてもらえてからが変だった。普通、焦るなり謝るなりするところなのだが、何も言わず私の置いた本を取り、本のバーコードをスキャンしたのである。
少々間があった後、漸く店員が声を発した。「カバーおかけしますか?」と。
私が「お願いします」と答えると、店員はカバーをかけだした。
値段、言わないの?と訝しがりつつ私は表示された金額を勘定台に分かりやすく置いた。
カバーをかけ終わった後、また間があった。その後、店員は私の方を見た。何も言わないので、何かあったのかと目を合わせてみたが、店員は目線も顔色も変えない。
気まずいので、「どうかしましたか?」と声をかけようかと思ったら、漸く「袋にお入れしますか?」と問われた。
私が不要である旨を告げた後、店員はレジに受領金額を打ち込むと、明細の書かれたレシートを私に手渡し、「ありがとうございました」の挨拶で会計の儀を終えた。
不快というより、何か変であった。彼女が夢現だったのか、私を通して何かしら見えたのか、私の後ろで何かが起こっていたのか、それは定かではない。
念のため言い添えるが、私は変な恰好や、不潔な身だしなみではなかったのである。
考察
なにか考え事で上の空だったというのであればいいのですが、あの時私の後ろで何かが起こっていたのか、それとも私の背後に「何か」が見えていたのか、そんな可能性すら感じてしまう体験でした。
今だったら、レジに行って気づかれなかったら「すいません」とか言って対応してもらうんですが、当時は気づかれないことを楽しんでいたなんて、相当趣味が悪いなと思いました。そう感じられるようになったということは、少しはまともになったということなのでしょうか。
なお、私の記憶ではあの書店員さんに対応されたのは後にも先にもこの時だけでした。その後に何かあったのか、「古参の雰囲気」があるだけでズブの素人の短期バイトだったのかは分かりませんが、そんなところも不思議だったなと思いました。