結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

WAONと母。慣れればなんてことはないけど、最初はシュールだなと思ってました。

2008.10.18 社会人2年目

 

ハイテクノロジイ×オカアサマ。

 

それは鳴り響いたのでございます。花屋のレジから「ワオーン♪」と。

 

 

WAONと母

妹は思い出し笑いをしながら私に告げました。お母様と花屋の売り子の方が、WAONを利用することが当然の行為であるかの如く応対しあっていたことが、現実の中で非現実の光景を目の当たりにした気分であったそうです。

 

お母様は新しいものを自分の手にする度、それを少女のように目を輝かせて、私たち家族に紹介するのでありますが、それは大概、お母様以外の者にとって既になじみのものとなってしまっているために、少女の夢を踏みにじるかのように、薄情な応対をすることが慣例となってしまっているのでした。

 

私はそれを不憫に思い、お母様にとってのハイテクノロジイを初めて見るかのように驚いてみせ、まさにそれに興味があるかのように振る舞い、傷ついたお母様の少女のような心を癒して差し上げていたのですが、私が家を出てしまっている現在では、私が帰省のために家に帰ってくる時以外に、日常に於いて傷ついた心を癒す機会が皆無のようでございました。さぞや、辛い思いをされたことでございましょう。

 

この、WAONに関するエピソードは、新たなアプローチを模索した到達点のように思えてならないのです。お母様なりに、私以外の家族の気をひける最先端のテクノロジイを模索した結果なのです。

 

WAONカードを手に入れたお母様は、早々に家族の者に紹介したかったに違いないのです。

 

しかし、いつものように紹介していては、結局、話を流されてしまう結果になると思ったのでしょう。

 

そこで、きっとお母様は我慢することにしたのです。最高のタイミングで、そのハイテクノロジイを当然のように使う自分を見せつける機会が来るまで。

 

それは、お話ししたいことがあるとすぐに口に出してしまうお母様にとってとても心苦しいことであったに違いありません。

 

その性質をしっかりと受け継いだ私には分かります。お母様の努力は並大抵のものではなかったでしょう。

 

そして、WAONを最高のタイミングで使うことができたお母様は、表情も変えずに当然の如く振る舞っていたようですが、内心でとても喜んでおられたことでしょう。

 

遂に、興味を引くことができたと。

 

興味を持ち、そして印象に残ったからこそ、妹は私にこの話をしたのでしょうから、母の企みは成功したと言えるのでしょう。

 

この話を聴いた後、私は一筋の涙が頬をつたうのを止めることができませんでした。

 

それと同時に、私の腹筋はまるで痙攣のように波打っておりました。

 

考察

こんなこともありましたね。父は割と新しい物好きなのでどんどん新しいものに手を出すのですが(それによる散財に関して母に何度も愚痴を聞かされておりました…)、母は割と慎重派のようで、流行りが終わったころに手を出すのです。

 

そしてその便利さに気づくと、さも自分が最初に使い始めたかのような態度をとって自慢するのですが、家族はすでに通った道なので、感動も薄く「今更?」という態度をとるのが常でした。

 

なお、先日帰省した際はクレジットカードの明細の紙発行が有料になるから、「webに切り替えないと。」というようなことを仰ってました。「まだ紙で見ていたのね…」と言いたくなるのをこらえて、「そうなんだ!面倒だね。」と初耳かのように無理やりに同情することにした息子の努力、褒め称えていただけますでしょうか…?