書評日:2006.8.20(日)
puzzle
廃墟の島で、変死体が3つ見つかった。3つの死体は死亡推定時刻がほぼ同一時刻。一体何がこの島で起こったのか?二人の検事が事件の調査のために訪れ、謎を解き明かそうとするが…。六番目の小夜子の主要人物、関根秋の兄、関根春が検事として出てくる物語。
長編でも収拾のつかない物語を作る恩田氏が、153ページという少ないページ数で一体何を書くのか興味をそそられた作品。
以外なことに、どんなことが起こって亡くなったのかが書かれている。読者に対してどんな手段であれ、どんな事実であれ、謎を「一応」解決させているところで意表を突かれた。
少ないページながら、十分に引きつける謎を持つ物語である。廃墟の島、変死体、二人の検事。そして冒頭文で登場する不可解なメモ。どのキーワードも興味をそそる。
急ぎすぎず、たるむこともなく物語は淡々と進む。恩田陸らしさを失わない、十分面白い作品だ。
考察
企画モノでしたっけ?どんな話だったのかさっぱり忘れてしまいましたけど、153ページならすらっと読み返せるから、取ってあったら読んでみようかな?(処分しちゃったかもしれませんけど…)
そういえば、少し前に恩田陸さんは直木賞を受賞されたんですよね!おめでとうございました。