書評日：2006.8.8(火)
回廊亭殺人事件
一大で莫大な財を築き上げた一ヶ原高顕が亡くなった。遺産の分配方法について書かれた遺書の発表に旅館「回廊亭」が選ばれ、遺言発表の日、一ヶ原一族と本間菊代が集まった。そこで菊代はある復讐を果たすこととなる…。
表紙にあまり惹かれなかったのだけれど、背表紙のあらすじが面白そうだったので読んでみることに。やっぱり、表紙だけで判断しちゃいけませんね。面白かったです。
この物語は殺人を計画した主人公の視点で物語は進みます。読み始めたとき、主人公の犯行計画が犯行後に捕まってしまうようなものだったので、この本を読んだのは失敗だったかと思ったのですが、ラストシーンでその謎？が解けてすっきりしました。そういうことなら、このようなものでいいと。
意表を突かれるトリックなどはありませんが、主人公が被害にあった過去の事件とリンクする話なので、謎解きがホント面白いです。主人公が最後まで隠していることがあるのもいい。
遺産が誰のものになるのかは、あまり知りたいと思わなかったのでそのことを解くために物語がすすむという形でなかったのも好感が持てます。
あとは登場人物の名前を覚えられれば、それなりに楽しめると思います。一族のものなので下の名前で区別するしかないので(^^;ただ、動機などは非現実的なので共感はできませんが。
ストーリー展開共によくできた物語だと思いました。
考察
内容は覚えていないのですが、最後の最後にどんでん返しが会ったことは覚えています。それで小説の印象が変わりました。毎度毎度やられると『またか！』となるのですが、当時の私には新鮮で高評価になったのでしょう。
