結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

三ツ沢公園の滑り台にて。

2008.3.1(土)

 

 

すべりだい

僕の住むアパートの近くには、長いローラー式の滑り台があって、Aさんはそれに乗りたいといって駄々をこねた。

 

九州育ちの頑固者め!と、罵りつつも、実は僕も一度滑ってみたかったのである。

 

子供用と遊具説明に表示されているのにも関わらず、大の大人が一人でここを滑るのは如何なものかと思ったせいもあるし、その公園を通るとき、たいてい多くの人がいたからでもある。

 

その日は人が殆ど居なかったし、彼女がそういったせいもあり、非常にタイミングが良かった。

 

「乗って良し。」

 

そう合図すると、一目散にAさんは滑り台に向かって走っていった。成人してそれなりに経つというのに、非常に無邪気な後ろ姿であった。

 

さて、彼女は一人で滑るのかと思っていたが、滑り台の出発点に立ったところでこちらを振り向いた。案の定、僕にも一緒に滑れというのである。

 

仕方ないなという呆れ顔をしながらも、勿論滑るつもりであった僕は早足になるのを抑えながら、ゆっくりと歩いていった。

 

滑り台の登り梯子に手をつけようとしたとき、後ろから声が聞こえた。振り向くと犬の散歩に来ていた女性が、何か叫んでいる。

 

てっきり咎められていると思ったが、忠告をしてくれたのであった。

 

彼女の忠告の内容は「そのまま滑っては汚れてしまう」ということであった。段ボールがそこらに落ちていると思うので、それを下敷きにして滑るのがいいであろうと提案もしてくれた。

 

「ありがとうございます」と謝意を意識して返すと、その女性は微笑ましい表情で

 

「見たら滑りたくなるその気持ち、分かるわ。」

 

と返してくれた。誰しも考えることは一緒であるらしい。さて、適当な段ボールを見つけた僕はそれをAさんに渡し、彼女に滑る準備をするように促した。

 

Aさんは予想以上のスピードで滑り降りていく。Aさんに渡したもの以外、適当な段ボールが見つからなかった僕は覚悟を決め、お尻を付かぬよう、靴の裏側で滑るようにしてその後に続いた。

 

端から見たら、これは爽快感を感じさせるのであろうが、実際は痺れる痛みとの戦いである。

 

薄底の靴を履いていたため、ローラーの回転の衝撃をダイレクトに受け止めてしまうのである。以外にもスピードが出るゆえ、お尻をつくまいとバランスを取るために力が必要であり、体の要らぬ部分に力が入る。後日、全身が筋肉痛になったのは言うまでもない。

 

滑って良かったことと言えば、滑り終えて爽快な顔をするAさんを見れたことぐらいだろうか。彼女は相当に楽しんだようである。

 

痛がってる僕の態度を見て、喜んでるのはドSの血が騒ぐからか。

 

考察

こんなことも書いたなぁと、半蔵さんのツイートを見て思い出したのです。フィクションなのかノンフィクションなのかは推して知るべし。

 

 

一人暮らしのスタートは三ツ沢公園近くのアパートに住んでいました。大きい公演が近くにあっていいなと思ってそのアパートに決めたのですが、殆ど公園には行きませんでした。そんなものよね。

 

三ツ沢公園【横浜】の迫力あるロング滑り台 | 子供→喜ぶ、パパママ→楽しい。★わくわく子育て研究所

 

この三ツ沢公園に驚くほど長いローラー滑り台があって、それに最初で最後に乗ったときのお話でした。

 

 

その時履いていた靴は、オニツカタイガーのTAI-CHIだったので、物凄く靴底から足に振動が響いて痛かったのを覚えています。