レビュー日:2008.3.30(日)
バリバリのキャリアウーマンだった優子は様々な出来事によりスイッチが切れてしまったようになり、躁鬱の病にかかる。35歳、独身。単身蒲田に引っ越してきた優子は、蒲田の街を散策し、ホームページに軌跡を綴る。
やわらかい生活
昔の友人に出会い、優しい痴漢と出会い、ホームページを見て道案内を頼んできた鬱病のヤクザと出会い…。そこに従兄弟の祥一がやってきて…。
絲山秋子さんの作品「イッツ・オンリー・トーク」原作。
原作は100ページで綴られる作品。今まで読んだ絲山さんの作品の中でもかなり好きな作品なので、ちょっと期待してみてしまった。それがいけなかったのかもしれません。
蒲田という街は、昨年の秋頃に仕事で1ヶ月半ほど通っていた街なので、「ちょっと知ってる街」でした。「猥雑した町並み」の印象が、映像に出ていてとても良かったです。通勤に使っている京急沿線の駅が出てきて、世界観が非常に分かるのがとてもよかった。
そして、それがあんまりよくなかった。前半は町並み重視の展開で、後半は人間の方にスポットがあてられている構成になっているのですが、原作の短い内容を、少々味付けして付け加えているため、間延びしてしまい、見ていくにつれとっても疲れてしまいました。
原作はテンポ良く、まさに「颯爽と駆け抜ける」感じだったのですが、それがうまくでていなくて残念。
作品名の元になったと思しき、ストーンズ?b>「It's only Rock'n Roll」が出てこなかったのも残念だし、原作では「king crimsonの楽曲にのせて~」の触れ込みで出されてたのに。。それがまったくなかったのも残念。
頭の中にある音楽と作品の音楽とのギャップが、イメージを決定づけることもあるんですな。
なぜかトヨエツをみると毎度「友人Oは元気かなぁ」とちょっぴり心配になります(笑)
考察
原作は絲山秋子氏のデビュー作「イッツ・オンリー・トーク」でした。映画版はあったことすら今の今まで忘れていました。記事を読んで、「ああ、タイヤゴジラ?が出てきたのはこの映画だったな」と思い出しましたが。
原作はking crimsonのエレファント・トークに関する描写があった気がします。これを見た当時は80年代クリムゾンがよく分からなかったので「なかった」と書いていますが、映画で使われていたのかもしれません。もう一度見てみないと分かりませんが。