レビュー日:2008.2.18(月)
漫画・アニメと大ヒットした美大トライアングルラブストーリーの映画版。
ハチミツとクローバー
ドラマが酷評気味な本作。映画もあまりよくないですね。
漫画版については名前を聞く機会は何度かあったものの、なかなか手を出すに至らなかったのですが、妹が買ってきたので一気読みしました。
漫画を読むまでは「純愛の漫画」だと思っていましたが、決してそれだけに終始するわけではなく、少女漫画的なギャグや無理矢理な設定があって、その中でいくつかの三角関係が交差するという、メリハリの利いた?作品であったことに驚かされました。
漫画版はこのメリハリと言葉の選び方がとても巧みで、非現実的な設定でありながら、妙に現実的な視点の言葉があって、そこに幻想という名の青春を紡いでひとつの物語として成り立っていたように感じました。
そんな物語ですから、映像かは難しいのでしょうけど。もうちょっと、頑張って欲しかったなと思ってしまいました。
ハッピーエンドやバッドエンドや最後に誰が悲しむやら誰が喜ぶやら…そんなところから設定していてはいけないのでしょうね。
少女漫画を見くびりすぎて、ベタな古い人間ドラマに昇華されてしまった気がします。
作品自体にあまり思い入れはないのですが、一度原作を読んだ読者として、思い入れはなくとも、漫画より劣ってしまうと感じる映画でした。
考察
この作品に限ったことではなく、漫画の世界観を実写で作り上げるのは難しいですよね。それを承知で映画化やドラマ化に挑むのでしょうが…。
このブログではそんなことばっかり言っている気がします。それなら見るなよって話なのだと思うのですが、心のどこかで期待しているんですよね。原作を超えるような作品や、原作の世界を忠実に再現してくれる作品を。