結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

ある女性に振り回されていたときの話。これこそ真に恥ずかしい話だよな…。

このブログの元ネタとなるブログ(Yahoo!ブログ)に、「Aさんと僕」というパンドラの箱のような書庫がございました。「まったく君はなんて恥ずかしいことを書いているんだ!」と昔の私を罵りたくなるような赤面必至の記事ばかりが格納されている書庫です。

 

このブログを開設した当初は、消えゆくブログ(※Yahoo!ブログは今年12月にサービスを終了する)とともに抹消しようと思っていたのですが、「これも面白いかな」と思う余裕ができたので、公開しようという気持ちになりました。

 

以前、メインブログの方で「mixiの日記が黒歴史」という記事を書いたのですが

 

およそ10年前のmixiの日記は誰にとっても黒歴史なのかもしれないと思った話。 - 1年間育児休業を取得した30代前半男性の日記

 

この書庫に比べたら、昔のmixi日記なんてかわいいものだよなぁ…。なんてハードルを上げるような発言をしたくなってしまうぐらいの代物です。

 

 

振り回される男の話

2008年から2009年にかけて、私の書庫思いのたけを綴ったお話が11本ございました。10年前の20代前半のモテない男性のリアル恋慕!?をお届けします。

 

若い時にこういった経験をしたからこそ、後に同じ轍を踏むことなく、最愛の女性を射止めることができたとポジティブに捉えておりますよ!

 

文字通信

2008.3.20(木)

 

Aさんは放置プレイが大の得意だ。メールが話の途中で放置される。盛り上がった話も途中で途切れ、翌日

 

ごめんなさい(>_<)

 

と打てばいいと思っている。実際、それで納得してしまう僕は、Aさんの掌中でいいように踊らされていると思う。

 

そのくせ気まぐれで、布団の中でうつらうつらしている時にメールが来ることもある。酷いときにはその時に電話が来て、眠りに就くのが2時間ほど遅れることもある。

 

メールや電話を頻繁にするのを非常に煩わしく感じる僕だけれど、Aさんの場合、途切れ方が唐突なので、「機嫌を損ねたのか!?」と自分のメールを見直すこと数えきれず。

 

最近は、いつもの放置プレイかと納得し、自分の時間を過ごすことにしている。

 

そのうち、永遠の音信不通も、究極の放置プレイと感じてしまう日も近い。

 

甘いもの好きの次元違い

2008.4.11(金)

 

僕は甘いモノが大好きです。しかして、それだけ食べ続けられやしません。

 

Aさんは甘いモノが好きです。それだけ食べ続けても、飽きやしないそうです。

 

ケーキだって、コーヒーや紅茶があってこそ、おいしく食べられるんじゃないですか。飲み物無しで食べ続けてたら、結構キツいのです。

 

「それは甘いモノ好きではない」と、Aさんは僕を咎めます。

 

しかして、やはり。僕は甘いモノ好きなのです。甘いものを食べて、美味しいと思うし、時折無性に食べたくなることもありますし。

 

甘いものを食べるときは、美味しいと思える限度があって、他のものとの調和を取って、そのものを食べる、最高の美味しさを引き出す。そう言う食べ方が素敵なんじゃないですか。

 

Aさんはそれを全否定しやがるのです。

 

ああ、そうか。ふと、負けてないのに負け惜しみ的に、"そう"思ったのですが、そんなこと、口に出して言えやしません。

 

ええ。「だから太るんだよ」なんて、女性には言ったら失礼じゃないですか。

 

だから遠回し遠回しにいってあげました。

 

遠回し遠回しに。

 

想像力を鍛えたい

2008.7.5(土)

 

人に何かを頼まれたとき、そしてそれがイメージに依るとき、うっかり、「わかった!」なんて言ってしまうと大変です。

 

最近、Aさんはイメージで物事を仰ることが多く、そしてそのイメージを共有できないと膨れっ面をするので、なかなかに辟易しているのです。

 

ボヘミアンな感じで♪

イマイチ、外来語の語彙力が乏しい僕は、頭の中に「いずでぃすありあるらいふ?いずでぃすあふぁんたじー?」と流れてくるばかりです。

 

「ままーうーうーうー」って言いたくなってしまいますね。

 

困り果てた僕はwikipediaで検索をかけたのでした。

 

オーガニックな感じがいいです。

すいません。wikipediaでもひっかかりません。どうしたらいいのでしょう。咄嗟に先輩にメールをしてみました。

 

送信「オーガニックってなんですか??」

返信「しぜん」

 

すいません。「しぜん」な感じってどんなお店を探せばいいんでしょうか。

 

はにはにふなふな。な感じ。

すいません。様になるからって、そこまでかわいこぶらないでください。つっこんだあとに悪態をつくのはやめてください。

 

ーーな感じですっ!

何度聞き直しても、僕の頭の中で言葉になりません。漢字の読み違いとか、スペルの読み間違いとかじゃないですか?こっちがわからないのに、勝ち誇った顔をしないでください。

 

ご機嫌取り

2008.7.19(土)

 

「私、自分よりメガネのこと褒められたほうが嬉しいんです。」

 

Aさんは、確かにそう言った。なので、とりあえず僕はAさんに会ったら先ず、「今日もメガネがかわいいですね」的な心からの言葉を贈るようにしている…のだが。

 

最近、それをやるとムッとするのである。「メガネばっかり褒めないでください!」と。

 

最初の方こそあざとく小動物的な仕草で、テレテレなどと、かわいこぶっていたのに。

 

乙女心は複雑なのだ。

 

ととあいにー

2008.7.26(土)

 

「私、2年後に1人前になって台湾で暮らすんです!」

 

突然の決意表明に、どんな顔をして良いのか分からなかった。しかし、発言をしたAさんをみやると、どうやら冗談では…ないらしい。

 

ここのところ、Aさんは台湾の女性アイドルにご執心なのは知っていた。が、そんな風に思うまでになっていたとは思いもよらなかった。

 

「彼女に会って、あわよくば専属のスタイリストになれたらなぁと♪」

 

なるほどなるほど。しかし、一つ懸念材料があるのではないだろうか?言葉の壁というものが。

 

「そーなんですっ!」

 

それを問うと、Aさんは得意げに人差し指をたて、不適な笑いを浮かべた。

 

「実は、明日中国語教室を見学に行くんです。家も近いしチケット制なので続けられるかと。」

 

あ、本気なのね(笑)冗談ではないとおもいつつも、本気だとは思ってなかったので、思わず苦笑いを浮かべてしまう。

 

その後、キラキラ輝く瞳で、怒濤の勢いでアイドルへの憧憬と愛を語られ、僕はただ圧倒されるだけであった。

 

話が一段落して、「諦めずに達成できると良いね」という旨の応援コメントを投げかけた。

 

「でも、結局飽きちゃうのかも知れませんけどね(笑)既に飽きてる感もしないですし。」

 

あ、やっぱり。いつも通りの気まぐれ熱弁だったんですか?そうならないことを祈るべきか、そうなることを祈るべきか。

 

2年後が楽しみである。

 

人参連想

2008.8.17(日)

 

「わたし、人参大好きなんですっ!」

 

そう言うなり、Aさんは一口サイズに切りたての人参を口に放り込む。そして、恍惚の表情を浮かべ、人参がとても美味しい旨を僕に告げる。

 

「切ったものを食べてしまってもいいよ」と冗談のつもりで言うと、本気で全てを食べてしまいそうな勢いだったので、これは面白いと一本まるまる捧げてみた。

 

人参の先に齧り付いた姿を見て、馬みたいだと正直な感想を漏らすと、人参の先をもの凄い勢いで噛み砕き、「兎です!!」と、鼻息荒く主張する。

 

やっぱり、馬じゃないか。という正直な感想を胸に秘め、次の野菜を切り始めた。

 

土産物を問うたら

2008.9.16(火)

 

およそ半月ほど前、9月の17日から2泊3日で京都旅行を計画した。3年連続京都。芸がないと思うものの、まあ良いかとも思う。

 

甘い物が好きなAさんに、おいしいお菓子を買ってきてあげようと、何が良いかと尋ねてみる。

 

「そッ、そんな、お土産なんていいですよ~。」

 

予想していた反応ではある。しかし、これで本当に買わないで帰ると、ご機嫌斜めになるのである。良く分かるようで、好く分からない。

 

外したら外したで、またご機嫌斜めになるのは目に見えている。結局、自分で考えるしかないかとあれこれ思案を巡らせていたら、「あ。」と、Aさんは何か閃いた表情をした。

 

「お土産話が良いです!!やらかしちゃった話!!期待してます!!」

 

随分と、ハードルの高い要望だこと。あ、この企みがちな表情は…。何か嫌な予感がする。

 

その嫌な予感を感じながら天気予報を見やると、台風13号が日本列島に近づいているようだった。明らかにおかしな軌道を執って。

 

まるで、僕の旅行の日程に合わせたかのように、不気味な表情を見せる台風予想進路図は、どこかAさんの企みがちな表情に重なる。

 

何か嫌な予感がする。

 

踏切にて

2008.10.29(水)

 

Aさんが、轢かれました。自転車に。

 

踏切を渡っていたときのこと。踏切信号が、なり出しましたので、少し早足で踏切を渡っておりましたら、

 

「いてっ!」

 

という悲鳴がこだましたのでございます。

 

丁度私は渡り終えたところでありましたので、後ろを振り返りますと、Aさんが痛みに悶えていらっしゃいました。

 

その横から自転車を押している人が、珍獣を見るかのような感じで、そそくさとAさんを追い越していこうとしています。

 

はて。

 

何かに違和感を感じるのです。あって、然るべきシチュエーションではないことに。その自転車を押している人から謝りの言葉がないのです。痛がるAさんの呻き声しか、そこにはありませんでした。

 

こちらを気にしながらも、去っていこうとする自転車の人。

 

ややもあって、その人が、漸く発した言葉は、「大丈夫ですか」でしたが、そこに必要なのは、轢いてしまった後すぐの、「ごめんなさい。」だと思うのです。

 

案の定、Aさんは激怒。「先ず謝るのが先でしょう」と言う内容を興奮の面持ちで訴えましたが、自転車の人は、そのまま去ってしまったのでした。

 

その瞬間。怒りの矛先は、私の方に向けられたのでした。

 

私はその矛先を逃れるために、「でも、肉が厚くて助かりましたね。」という旨の言葉を一か八かに賭けて申し上げたのですが、火に油を注いだだけでございました。

 

柔硬腹筋

2008.12.21(日)

 

「私、意外に筋肉あるんですよ!」

 

そう言って、Aさんは二の腕に力瘤を作ってみせる。今にも鼻から大きな息が出そうな表情をしているのが可笑しい。

 

それは何の賜かと尋ねると、毎日の筋トレの成果と答える。腹筋に横腹筋に背筋に腕立てにスクワットに…。それを10回ずつやっているらしい。

 

「たかが10回ですか」と鼻で笑うと、Aさんは得意げな表情で腹筋に力を込めた。

 

「私、腹筋が凄いんです。表面だけ"ぷにゅ"だけど、奥は"カチッ"なんです!!」

 

そう言うと、心持ち膨らんだ腹部を触ってみるよう促す。うーむ、うーむ…。普通ではないか(笑)

 

舞い戻ってきた荷物

2009.3.30(月)

 

先週、ホワイトデーにAさんに送った荷物が、我が家に戻ってきてしまった。ゆ●パックは1週間しか預かってくれないらしい。

 

我が家に荷物が戻る前に、受け取ろうと思ったが預かり期限が過ぎてしまった旨のメールがあった。多忙を極めるAさんだから、仕方ないかと思いつつ。

 

荷物の戻しに来た、郵便局のおっさんは、僕を慰めているようであった。

 

「いや~、何回か行ったんだけどね、不在でね。」

 

そうですか。

 

「タイミングとかあるから、仕方ないんだよね。こればっかりは」

 

そうですね。

 

微妙に気まずさが漂う、このやりとりはなんだ(笑)

 

しかし、何より気まずかったのは、品物名に、「白い日の贈り物」と書いてあるのを見て、おっさんは「絶対きざったらしいやつだな」と、一度は必ず思ったことであろうと考えてしまったことだ。

 

食事質問

2009.5.9(土)

 

「あの人たちに美味しいか、聞いてみようかな…」

 

コーヒーショップで、隣の隣の席のケーキを眺め、Aさんは仰った。その値段とカロリーの表示を見て、店頭で散々迷った挙句、クッキー1枚で我慢することにしたのだが、未練はタラタラらしい。

 

それは、Aさんだから聞こうと思えることだし、Aさんだから聞いても許されそうだったが、止めておくように助言した。

 

ことあるごとに、Aさんは興味の対象が出現すると、誰彼構わず、質問する。嫌悪されずにその質問に答えてもらえるのは、やはりAさんだからこそなのだろが、それを計算でやっているのか、何も考えずにやっているのか、計り知れないのが、とても恐ろしいところなのである。

 

おわりに

さて、ヘタレ男性の見栄っ張り感をご堪能いただけたでしょうか?じれったく感じていただけたら幸いです。

 

ヘタレ感というか、昔の残念な自分を反面教師として頑張ったところに勝手にシンパシーを感じているのがあさむし氏の以下の記事です。

 

職場で出会った熊本弁の女の子の話 - ゲームと音楽と子育てと

 

私はコイバナ的なことにはあまり興味ないのですが、ヘタレ男性の空回りっぷりや奮闘っぷりには、森見登美彦氏の小説を読んでいるかのようなエンターテイメント性を感じてしまうのです。それは共感力に乏しい私が、昔の自分を重ね合わせることができる数少ない分野だからでしょうか。