レビュー日:2005.6.30(木)
さんだる
平成のビートルズと称されるイカ天出身の4人組バンド?その凄まじいファッションに、一度見たら忘れられぬ風貌。そして彼らの中には純然たる日本楽曲があった…。
バンドに疑問符がつくのは聴いてみれば分かると思います。一応バンドなんですけれど、今のバンドとは違う感じがするんです。いや、「たま」というバンドはすべてのジャンルから浮き出たものであるのかも知れません…。
使用楽器はフォークギター、マンドリン、アコーディオン、オルガン、ハーモニカ、、ピアノ、ピアニカ、ベース…そしてパーカッション!
このパーカッションが、なんていったらいいんだろうか、普通じゃないんだけど、すごく楽曲にマッチしていて「たま」の個性をより引き立たせるものになっています。石川浩治さんはすげー。(見た目もすごいけど…)
そして、平成のビートルズと言われる最大の理由は、ボーカルハーモニーにあるのでしょう。4つの個性的な声が絡み合って創り出す、とても独特で美しい?ハーモニーを聴いてみたらいかがでしょうか?
ということで、1曲ごとの感想を書いていきたいと思います。
方向音痴
お気に入りLv7
メインボーカルは知久寿焼さん(一番高い声出す人)。ふざけたこと歌っているようで実は奥深い曲であって、たまの魅力が存分に発揮されている曲だと思います。サウンド面も、今のバンドサウンドを聴いている人たちにとっては、とっても新鮮に感じられるのではないでしょうか?
そして、古くない楽曲だなと思うんです。日本らしさを全面に出している気もするんですが、それはありつつも、日本楽曲にありがちの、「古くさき恥ずかしさ」が感じられない(例を出すと…ちょっと怖いので言わない)
軽快なマンドリンが好きです。
おるがん
お気に入りLV9
メインボーカルは知久寿焼さん。メランコリックな歌い方もできるので素敵です。これ、泣けます。歌詞が例え話なんですが、情景を想像できるので、ぐっと感情が揺さぶられます。SE効果を持つオルガンサウンドが素晴らしい。間奏でのギターとオルガンが絡まった後の、盛り上がる部分が盛り上がってないような使い方をするんだけど、下手な若いバンドがいくらやったってかなわない味が出ています。
うれしい顔がちゃんとできない…
オゾンのダンス
お気に入りLv7
メインボーカルは柳原幼一郎さん(やわらかい?声のひと)。ちょっとお馬鹿な歌。ヨーレル出てきたり…、歌詞がヤバかったり…。
「こんなサウンド出すバンドいないよねぇ」って思わせてくれます。ギターカッティングをアコギで綺麗に出すし、フラメンコ調のもやっちゃうし、何より心地よくなるのがすごいなと思います。
日本でよかった
お気に入りLv5
メインボーカルは滝本晃司さん(一番普通の声出す人)。これあんまり好きじゃないんですよね、サウンドはRPGにありそうな感じで。ゲーム音楽っぽさがあるのはまぁ、いいんですけど。ちょっとだれてる感じがするんです。あと滝本さんの声がまだ発展途上なので、聴きにくいって言うのもあって。(と言うより他の人が特徴的なのもあるかもしんないけど)
ただハーモニーは秀逸な曲ですよ。日本でよかったって題名どおりの曲です。
学校に間にあわない
お気に入りLv5
メインボーカル?(っていうのか?)は石川浩司さん(すさまじい声を出す人です)。なんていったらいいんだろうか。たまのコミックバンドイメージは、こういう曲を作るからだと思うんですが…いやね、たしかに楽曲として成り立っているんですよ。しかし凄まじく個性的なボーカルが小話的イメージを与えるので、聴く曲じゃなくて観てる感じを与えてしまう凄まじい曲。
様々なパートがありまして、飽きさせないようにできてるのだとも思いますが、曲の長さが8分!!
でも強烈なボーカルに呆れず、よーく聴いてみてください。散りばめられたエッセンスに驚かされることでしょう。
最後のところがポールの「Live and Let Die」の一部っぽかったりしてます。
どんぶらこ
お気に入りLv8
スリーコードでどこまでもどんぶらこしています。メインボーカルは柳原幼一郎さん。非常にグロテスクな歌詞の曲なんですが、それをさらっと歌っている柳原さんに感服。
ちなみにこのスリーコード(E G A)なのでどっかで聴いたことあるな~と思ってたら、バインのPacesのイントロの半音下げ(ライブだと半音下げ)だったんです。
間奏でカオスに入ります。壮厳な感じがする、まるでビートルズのA Day in the Lifeのような
ロシヤのパン
お気に入りLv6
メインボーカルは知久寿焼さん。題名からしてロシアイメージサウンド。これといって思い入れはないんですけど、「たま」らしさがむっちゃでてます。石川さんのバックボーカルとか(笑)
さよなら人類
お気に入りLv9
メインボーカルは柳原幼一郎さん。誰でも知っている曲ではないのでしょうか?イカ天を5週(だっけ?)勝ち抜いて殿堂入りした、メジャーデビューシングル。
最初のピアノ、カッコいいです、パーカッションの入り方とかも鳥肌立つかっこよさ。間奏のサイケさがかっこよく、そして美しい(シングルバージョンは聴いたこと無いんですが)。
そして、有名な石川さんの「ついたー」で笑わせてもくれて…。
最後にたくさんの声がラララララって入るところがあるんですが、感動ですよ、歌詞の奥深さ(意味のわから無さとも言う)もさりげなくかっこいいし。
ワルツおぼえて
お気に入りLv8
メインボーカルは滝本晃司さん。もっと歌上手かったら…、あと1レベルあがってるはず。展開がかっこよすぎるんですよ、かつ、ハーモニーのすばらしさに感嘆。
この曲ではパーカッションが目立って活躍をしております。ライブで聴いたらとってもかっこいいんでしょうね。
らんちう
お気に入りLv4
メインボーカルは知久寿焼さん。あんまり好きではありません。さよなら人類のカップリングであったらしいです。演歌チックな、地方民族曲のような…楽しめるっちゃ楽しめるんですがね。
れいこおばさんの空中遊泳
お気に入りLv7
メインボーカルは柳原さんと知久さん。最後はポップで締めてくれます。ポールとジョンとはちょっと違いますけど、素敵な2人のボーカルハーモニーが心地良いです。マンドリンってかっこいいんですね。この曲聴いてると素敵な音の響きに魅了されます。歌詞も馬鹿っぽく、たまらしくサビの駆け引きが最高!
総評
中学生の時に初めて聴いたときは馬鹿にしていました。「なんだこれ?」って思って。でも高校生、大学生になって改めて聴いたらすごいんですよ。なんでこんなの馬鹿にしてたんだって当時の自分を馬鹿にしてしまいました。
ちなみに、高校の時尊敬していた友達が、「オゾンのダンス!オゾンのダンス!」と連呼して学校にこのCDを持ってきたことがありまして、私と彼は「れいこおばさん!」「ついたー!」とか、はたからみたら意味不明な言葉を発し、たまで盛り上がってました。
他の友達は「音楽を馬鹿にしてる!」とか言っておりましたが、仕方ないですよね。
それにしても、もっと早く聴き直していれば良かったなぁ…好きになったときには解散しちゃっていたんだもの。
考察
このアルバムは今でも聴いてます。なぜなら、妻も好きだからです。妻と付き合いたての時になぜか「たま」の話題になって、妻が知っていたことに驚いたんです。もしかしたら、私たちの親世代はみんな持っていたアルバムなのかもしれませんね。
この頃は滝本さんの歌声を酷評していますけど、そこまで悪くないと今では思います。むしろ好きな方です。