2005.5.24(火)
TRICERATOPS通算7枚目のアルバム
THE 7TH VOYAGE OF TRICERATOPS
ポップなメロディーの「Jewel」、ギターリフで音楽関係者によい評価を与えた「The Captain」の2枚のシングルに加え、4コードで自分たちを高みまで持っていく「エベレスト」を収録した、TRICERATOPS現時点での最高傑作!
買うときちょっと迷ったんですよね、ジャケットの感じがいつもと違うし、「航海」っていうことで少年週刊誌の人気漫画からインスピレーションうけたんかな?とか思いまして。でも、和田さんのギター講座が見れるっていうんで、買ってしまいました。発売して3週間ぐらい経ってから。損はないだろうって。
そしたら、素晴らしいんですよ、音の抜けといい、グルーヴといい、原点回帰した前作を凌ぐ圧倒的な統一感。発売日に買っておけば良かったと後悔しましたね。
ちなみに題名は、和田さんの好きなシンドバッドの…の洒落らしい。
ということで感想
My Favorite St.
お気に入りLv8
マイフェイヴァリットストラト!?とか思ってましたが、ストリートでした。使ってるのはストラトだけど…
「リフロックポップ」完成系ですね。ビックリしたのはずっとおんなじリフでこれったってとこですね。そしてこのリフが全然いやらしくなくて、体で感じられるいいグルーヴを引き出してるんです。ハーモニーユニゾンはもう熟練の域ですよね、素晴らしい。
さらにさらに、これを(リフを)歌いながらやるとさらに心地いい!いいっす!そこにヌケのいいキレイな音のドラムと大人のベースが絡みつくこの感動は何に例えられよう。
歌詞もきちんとのっけてますね。和田さんの歌詞は決してかっこよくはないんだけど、そうそうそうなんだよねーっていう共感を呼ぶんで聴いていての恥ずかしさがないです。コレも魅力でしょうね。
ここでひとつ聞き間違った歌詞を「僕の食パンはそれなりと火にやって…」どんな歌詞だよ?って歌詞カード見たら「ああ、全然違いますねと」
Parachuter
お気に入りLv4
うーん。イントロの切れ味鋭いギターは好きなんだけどメロディーがあんまり好きじゃないんですよ。グルーヴが違うんですかね、何かイマイチ乗れない。ベースは重い感じが好きなんですけどね、ドラムのリズムもありきたりな気がするんですよ。
歌詞もなぁ…ちょっとアルバム聴いてて不安になりました。
Ace
お気に入りLv8
そんな不安はこの曲で一掃されました。なんだこのリフは!?ほんとにこれ弾きながら歌ってんの?って驚きとサビに入った時のメロディーの美しさ。これぞトライセラ!ハーモニーが良いんですよね、気持ちよさそうに出す声(ギター講座参照)。
音のヌケの良さと、独特のリフとメロディーの美しさの融合。そしてギターソロはいつもの王道トライセラ!ラストはラーラーラー
この曲はアルバムコンセプトに乗っ取った曲です。歌詞が少しストーリー仕立てになってる?
エベレスト
お気に入りLv8
4コードの繰り返し(一部を除く)イントロの音は青を連想させて、その色に白をたしたり絵の具を付け足したりしながら、エベレストを形作っていく…。なんか壮大な感じがします。ワールドワイドの大きさじゃなくて、個人の中の大きさ。
どんどんもりあがっていって「例えば君が…」の所に辿り着いたときは鳥肌モノですね。景色は流れてるんだけど、そこで立ち止まってみる。すると動いてるんだけど違う景色がそこにあらわれて…。
The Capotain
お気に入りLv7
これはリフが単純なんだけれども、すごいかっこいい。音の出し方がカッコイイ。深みがあって切れ味があって。トライセラ=リフバンドを確立させた曲と言っても良いでしょう(この音の深みが出せるようになったから)。
でもそのリフだけじゃなく吉田さんの叩くドラムって最高なんですよね、音のノリと乾いた感じと、手数は多いんだけどゴタゴタしてないっていう。それが和田さんのギターとヴォーカルにとても相性がいいみたいで。それに味つけをするがごとくに響く林さんのベースがクールで…いいぃ。
メロは言葉を詰め込んでサビにかけてメロウになる。まるで航海中の海の嵐のようでもある。アルバムコンセプトに乗っ取った歌詞と、高みへ向かう決心を感じられる。
Now I'm Here
お気に入りLv7
コレもリフポップ、そしてストーリー仕立て。「couple days」を上手く昇華したなと思いました。記憶が確かならサークルKサンクスのコマーシャルソングでもあった気がします。
ポップたる所以はメロディー自体がもろポップっていうのもあるんだけど、さびでハンドクラップ入れちゃったりして、楽しそうだからっていうのもある。でもギターソロはいつものように渋いのを聴かせてくれるので満足。単なるギターポップで終わらないのが、トライセラ。
「このロックT…」っていうところでは「いつものがでたな」とニヤリとして、メロディーの行方が気になった。結果成功でしょうね。
It
お気に入りLv6
ifならぬitかい。アコギゾーンですねこれと次と。
落ち着いた曲で少し物足りないかなーとか思ってたら、こんな構成だったのねって。ああ満足かも。後半走りまくってますもん。欲を言えば少しギターで聴かせてくれるところが欲しかったかなーって。
身近なところから始まって、珍しく「それ」といった具体的内容のない論理を繰り広げているところにびlっくりしました。
Big Bag Blues
お気に入りLv6
BBB。カントリー色の強いスライドバーブルースです。アルバムならではですね、ここにあるのはいい感じ。ラストに向かう分岐点になってますからね。面白い曲。あんまり感想はないかな…音を聴いてたら終わっちゃったから。悪い曲ではないです。
jewel
お気に入りLv9
シングルで聴いたときにビビった。リフリフで責めてたから、次もリフなんだろうなーと期待して買ったら、メロディポップじゃんって!しかもかなりかっこいい(かわいいのか?)。
ギターの音の心地よさが半端じゃないし、こんなシングル今まであったっけ?和田さんまた歌上手くなったなと感動して。半音上がる前のトライセラゾーンがツボに来まして。半音上がった後にやってくるコーラスワークとギターのハーモニーは…
きいておくんなせぇ(単純繰り返し好きな方)
歌詞はいつも通りですね。和田唱要素てんこもり
ラストバラード
お気に入りLv7
とってもいいメロディなんだけど繰り返しすぎない方が良かった気がします。和田さんのファルセットがとっても綺麗な曲。
ラストバラードという題名が示すとおり歌詞も曲調も、題名コンセプトにのっとったものとなっております。後悔の果てに見たモノは!!!みたいな感じにも聴き取れる。こういう曲だからこそ短く終わらせてみるみたいなそういう意外性が欲しかったなぁと
欲張りかなぁ?
Any Day
お気に入りLv10
ラストバラードで終わらせてたらもったいなかったですよね、こういう曲でしめるからアルバムがぐっと引き締まってループしたくなる。トライセラに自分が求めてたものはこれですね。こういう曲似合うもの。和田さんは歌をもうすぐ唄に昇華できるレベルだし、林さんはウッドベース使っちゃうし、吉田さんの音ははまりまくりだし…
凝縮されたって言うんですかね、持ってる技量全てを出し切ったっていうか。それがアルバム全体に通ってるよって掲げるようなラストの引き締まり方。これは大成功です。
総評
全体通してかなり聴きやすいんですよ、これが最高傑作たる所以。もちろん自分はあまり好きじゃない曲もあるけれど、アルバムを通して聴くと見事にハマってるんですよね。好きな曲があれば好きじゃない曲もあるじゃないですか、でもそれが好きなアルバムに入ってたら、聴いちゃうんですよ。
ライブ行きてぇ…
考察
私が好きな邦楽バンドは高校時代からGRAPEVINEとTRICERATOPSです。大学時代はどちらも甲乙つけがたいぐらいだったのですが、現在ではGRAPEVINEの方が好きです。アルバムもGRAPEVINEは買い続けていますが、TRICERATOPSはMADE IN LOVE以降、???と感じてしまったので購入していません。
最近ボーカルの和田唱氏がソロアルバムを出したので、Amazon music unlimitedを契約していた時に聴いてみたのですが、あまりピンときませんでした。
私はこの前後のアルバムが好きなのかもしれません。「踊れるロック」を標榜しつつも、時に揺れ、時にもがきながら作り上げていった軌跡が垣間見れるこの感じが。
Any Dayは今でも好きです。結婚当初は度々聴いていました。