レビュー日:2005/6/3(金)
ライブバンドTRICERATOPS、精力的にライブを行い着実にファンを増やしていた彼らが前作から約8ヶ月ぶりに放った2ndアルバム。今作は強烈なリフサウンドはそのままに、あらゆる面を肉付けし色をつけた意欲作。各CDショップ推薦盤になり、若手の実力派として注目されたアルバム。
THE GREAT SKELETON'S MUSIC GUIDE BOOK
まぁ、そんな触れ込みだったと想像。サード買ってからセカンド買ったんで、あーこんなにポップだったんだって思ったんですね、セカンド聴いて。ギターならしまくってるんですが、和田さんの声もあってかその音がずしーんときつつも、ポップ。
音的には「スリーピースならこんなもんですかい」ってぐらいです。ソロも短めなのが多いし、なによりCDにして「これっ!」ていうのが無い。よく言えばバラエティに富んでるんだけど、悪く言えばどれもポップなだけで中途半端。だから、新たなファン層を獲得するのはCDだけでは容易じゃなかったでしょうね、ライブで聴くからかっこいい、ライブに行くからCDを聴く、そんな感じ。だってライブなら和田さんのソロが十分堪能できるし、ファーストの曲だってどんどんやってくれる。CDで聴くグルーヴとライブハウスを巻き込むグルーヴの違いがハッキリと分かる。その違いも楽しんでくれよ、いい曲だけど物足りないだろ?いい曲なんだから近くで聴きたいだろ?って感じ。
そう言った意味でファンを喜ばせるCDっていってもいいかもしれない。トライセラはトライセラの音作りをしているから。時にはふらついたりするけど、味を出しています。
ということで感想を
PARTY
お気に入りLv6
君がいれば全てうまくいく。そんな人に出会いたいけど、とりあえず参加しよう。
疾走感溢れる曲をアルバムに持ってくるのはセオリー通り。ファーストになかったクリア系な音を前面に押し出した。その代わり強烈なリフがない。一応リフっぽくなってるフレーズはありますがね。上手くこーど運んだなーって言うのが感想、でソロがないので物足りない。勿体ない、確かに全体が軽いからソロを入れたら重くなっちゃうかも知れないけど、無いとすかすかで、ファンじゃない人が聴いたら最後まで聴いてくれないかも…。という不安が出てきてしまう…。でも、その代わりのつなぎとして はぁ はぁはぁっはーっん ぃいぇぃいぇーとか入っているからそれなりに楽しめます。
MIRROR
お気に入りLv7
いつだって理想もとめていられたらいいんですがね、どうも挫折や妥協が邪魔をする。
いいですねー、ファーストと違って音の質がいいし、キレがある。ジミヘンちっくなメロでのリフとサビのポップさのギャップもいい。欲を言えばもう一展開ほしかったです、アイラブエスカレーターみたいな。
ゴリゴリのギターソロはライブではかなり内容的に富んだものだそうで一度見てみたいのですが。
ちょっとかっこつけちゃった和田さんの歌詞もなかなか楽しめます。
GUATEMARA
お気に入りLv6
目が覚めたら君に電話しよう、でもなに話したらいいかわかんないや、でもとりあえずね。
プロモで出てくる男の子に和田さんがギター見せて「かっこいいでしょ」って言っているのに笑えた。んーなんでこれがシングルカットされたんですかね?確かに不思議な曲。コーラスワークとか素晴らしくサイケです。ギターもリフって言っちゃちがうのかもしれないけど、ずっと繰り返しだし。ただし、コーラスワークだけが肝なので退屈な人には退屈になってしまう。今やってくれたらかなり美しくなるんだろうな・・・。
FEVER
お気に入りLv10
きみが前に進むならそれはそれでいいんだけど、置いてかれるとちょっと困る。でもね、君と一緒に乗り越えたいからそう思うんだ。
文句ナッシングですね、付け所がない。いやね、トライセラ全く知らない人が聴いたら「はぁーん?」って感じになるかもしれませんが、サード聴いてこの曲初めて聴いた僕にとってはかなり衝撃的でした。かっこイーってね。
ギターの音色が素敵なんですね、ファーストの荒さを完全に消し去らず、いい音を追求したわけではないが、自然と心地よさが生まれた感じ。
そして特筆すべきはリズム隊。うまくなったなぁと。吉田さんのドラムはある程度の水準行ってたんですけど、やっぱり淡々と刻むのって聴かせる技術が必要だと思うんですね、で和田さんのお膳たてじゃないんですが、いやらしく聞こえないしうまくリードしてる。それで味がある。ベースも、ずっとおんなじなんですが、はねてるので単調にならずにスパイスみたいな作用を持ってる。
始まり方がもうドキドキもので、歌詞もいいし曲も4コード繰り返しながら展開があっていいし、ソロも基本のペンタソロながら(ライブだと長いそうで続き聴きたい~)十分に聴かせてくれるし・・・。
いやぁもう素敵です☆
ぅをぅいぇー
GREEN
お気に入りLv9
君と選んだ手帳は何色だったっけ?選んでない?あっ、そう。
リフがいいっすね、単調なリフって音が肝じゃないですか、このリフに絶妙にあった音色で、かつ技術的にも申し分ない。この音色でポップなサウンドを奏でちゃって、ソロもちゃんとやっちゃう。でハッハーン!でしょうね
サビのメロディー大好きです、ギターのキラキラした感じとマッチして、これぞギターポップ!歌詞はまぁまぁでしょうね、いつもの和田歌詞。
GOOD TIMES
お気に入りLv7
大人になることは難しいですね。
いやぁあんまり好きじゃなかったんですけど、今聴くと結構いいですね、ギターのサウンドと和田さんの声が完全にマッチしてます。メロのギターも心地いいんですけど。サビのキャンキャン言わせるギターが良い時間過ごさせてくれませんか?
あんはーんはー ぃぇぃいぇいぇ
GOTHIC RING
お気に入りLv8
コレがあるから君がもう何があっても僕のものっていいたいんだけどさ、やっぱキザすぎるから可愛く言っとくね。
コレのプロモ確かセピア色ですよね、カッコイイ(でも煙草はねぇ、いらない気が)。
何が良いって?バラードながらトライセラっぽさが十分に出てるからですよ。イントロ、メロのリフは抑えめで雰囲気出してるし、サビは無きメロ系で、途中の「僕は分かってるのさ・・・」ってところも合ってる。でそこからサビに向かうときのドラムがカッコいいんだよね~♪
MASCARA&MASCARAS
お気に入りLv8
そんなマスカラつけない方がいいって!じゃなくて 僕はマスカラス(プロレス見ないけど)だからさはやくいこうよ
リフがありきたりなんですが、疾走感があって良いんじゃないでしょうか。サビのトライセラ節が大好きなんですよね、和田さんの声ではもるとビートルズのレインを聴いてる感じの「ぐぃーん」のようになるのでそれが大好き。
「もし君の~」ってパートからソロにはいるのって全然違和感なくて、しかもこのソロがカッコいい。聴き所はここでしょうね。
CARAMEL TEA
お気に入りLv7
何いれてくれんの?お茶?なにいれてんのさ!
えー、音がいい。メロディーもいい。しかし!しかし!この展開の少なさ(ソロがない)は物足りない、勿体ない。
スリーコードだから仕方ないんだけど、要求しちゃうのがファン心。だって、こんなに素敵なサビのメロディー持ってるんですよ和田さんの声に最高にあったサウンドなんですよ!
LIP CREAM
お気に入りLv8
だってこんな愛しいコいないっすよ。
昨今、胸キュン青春ギターロック(みたいなの)がバンバン出されていたようですが、いやとりあえずそんなの求めたんならこれ聴いとけって。このポンキッキを連想させるサウンド(特に緑の着ぐるみの方)を奏でられるのはなかなかいませんよ。それにギター1本でもいけちゃうんですから。スカスカになることなく。
ここまであんまり触れていませんが、リズム隊の和田さんサポート能力も忘れちゃいけません!これのおかげで和田さんが「はっはーん!」って言ってられるんです。
歌詞はすげぇな、こんなの書けるロッカーがいるんですね、って思ったのが初読時の感想。恋の初心忘るるべからず
SHORT HAIR
お気に入りLv8
君にきっと見せるからね、だから…。
お、アルバムの終わりを連想させるギターからはじまります。いいですねこの疾走感。髪切った話でこんなに良い曲作れちゃうんですね。メロのユニゾンがかなりいい味出してるんです。ここだけで、鳥肌です。ただサビのメロディーがほんのちょっと期待はずれ(でもいいんですよ、この曲は メロ>サビ ってことをいいたい)
これはソロいらないですね、グルーヴだけ掲示してくれればおなか一杯です。リフじゃないんだけど、ギターをバックで延々と鳴らしてるので中毒になるぐらいの心地よさでこのアルバムは幕を閉じます。
総評
おそらく、物足りないって人もいると思うんですよね、でもメロディーは秀逸だから気に入る人は気に入る。モノ足りなきゃライブに来てよ!っていってんですかね、やっぱり。
トライセラきいてみたいんだけど何聴いたらいい?っていわれたら、まぁ他の薦めて2枚目はコレを聴けって感じかなぁ。
ちなみにこのCDすごいんですよ、再生すると曲名がラジカセのディスプレイ(ついてるやつなら)に表示されますから。
解説
色彩豊かな曲が並びますが、あまり深みがなく非常にあっさりとしたアルバムです。どの曲も耳馴染みのいいメロディを持っているものの、それだけで楽曲としては今一つ物足りない感じがしてしまいます。悪くはないけれど…。
メロディメイカーとしてのセンスとコーラスワークの良さはこの頃から折り紙つきだったものの、なにか足りない。それが大ブレイクに結びつかなかったのかな?と今冷静な気持ちで聴くと思うんです。この頃に今みたいな奥行の深さがあったなら…。
でも、それが良くも悪くもトライセラであり、当時はそんなところを好きで聞いていたのかもしれませんね。