結婚することも育休をとることも夢にも思わなかったあの頃

大学時代に書いていたブログ記事をリマスター及び考察しながら載せていこうと思います。恥ずかしい思い出や今より稚拙な表現等ございますが、ご容赦ください。

TOMMY / THE WHO

 

レビュー日:2006.4.16(日)

 

TOMMY

ロックオペラ」というコンセプトを掲げて制作された大作アルバム。ザ・フー知名度を一気に高めた作品であり、ザ・フーサウンド、ソングライティングともに進化を遂げた一枚であり、バンドキャリアの転換期に位置づけられる作品。後に舞台化、映画化されることになるほど完成度の高い作品。1969年発表。

 

ロックオペラ」というコンセプトアルバムです。オペラのようにテーマは壮大ではあるけれどもオペラとは違い、ロックの演奏形態で物語を表現する。それが、ロックオペラのようなのです。

 

以前、Quick One While He's Awayのミニオペラの方が好きと公言しましたが、今は同じくらい好きです。

 

young.tonymctony.com

 

映像化された作品「ロックオペラ・トミー」を見たこともあって、今年に入って聴き直したところ、凄く良い曲が並んでいることに気づいたんです。ピートが残念がってるほどに音はしょぼいんだけど、楽曲自体のよさが分かってきたら一枚ちゃんと通して聴けるようになりました。それまでは途中で飽きちゃっていたんです。初っ端の序曲から「ロックオペラ」という言葉のイメージから連想されるものとかけ離れていたこともあって(あくまで、自分の中のイメージですが…)

 

物語のあらすじ

ロックオペラは「オペラ」なので、コンセプトとなるストーリーがあります。そのあらすじは以下の通りです。

 

主人公トミーはある事件がきっかけで聴覚・言語・視覚に障害をもってしまいます。親たちの努力もむなしく、障害は改善することなく日々は過ぎ去っていくのですが、あるきっかけでピンボールに出会ったことで、彼の人生は大きく変わっていくことになります。

 

テーマ

本作はピートの幼年期の体験をもとに作られた作品だそうで、傷害、トラウマ、児童虐待、ドラッグ、虐待、宗教、幻想…といった様々な要素が取り入れられていて(それは現代においてテーマとして取り上げられるようになったものばかりです)それを全て消化している点で評価が高いと言われています。頭の中で渦巻いていたものを苦難して曲として書き上げたんだからすごいや、ピート。

 

物語が分かると曲も聴きやすくなります。ゆえに、「ロックオペラ・トミー」を見ると聴きやすくなるんですよね。ですから、解釈の幅を広げるために「ロックオペラ・トミー」を見ることをオススメします。

 

ロックオペラ・トミー」には本人達も出演しています(ちなみに主役、トミーはボーカルのロジャー)。また、エルトン・ジョンエリック・クラプトンも出演していますから、ロックファンならそういった点でも楽しめる作品になっています。

 

曲について

1曲目「序章(overture)」のフレーズがメインテーマとなっており、以降の節目節目の曲に何度も出てくることになります。このアルバムを好きになると、このフレーズが出てくるだけでワクワクするようになってきますね。

 

他にもSee Me feel Meの叙情的なフレーズやSparksのインストフレーズも何度も登場します。

 

このアルバムの楽曲は様々なフレーズが組み合わさって展開していきます。ゆえに、人によっては飽きてしまったり、つまらなかったりするのですが(自分も最初はそうでした)ハマると同じフレーズが出てきた時にワクワクしたり鳥肌が立ってしまうのです。最初はつまらなかったのに…不思議なものです。

 

シングルカットされた作品「ピンボールの魔術師(Pinball Wizard)」の完成度、楽曲の格好良さは今でも褪せることなく、楽曲の持つサイケ感と、ピートのギターストロークの心地よさと、奥行きのある展開にハマること間違いなし!全部は聴けなくてもこの曲だけは聴いて欲しいです。

 

その他、Go to the Mirror、I'm Free、俺たちはしないよ(We're Not Gonna Take It)のフレーズ使いには痺れてしまいます。この三曲で楽しめるようになったら、「トミー中毒」になれるかもしれませんよ!?

 

おわりに 

とはいえ、ザ・フーで何がおすすめかを問われた時に、「トミーがおすすめだよ!」って言えないんですよねぇ…。絶対途中で飽きられるから…。

 

ベストを聴いて、フーズネクストを聴いて、クイックワンを聴いて、フーが好きになった自分でもトミーはしばらく通して聴けなかったですから…。

 

興味を持った人は辛抱強く聴いていただきたいです。我慢すれば我慢するほど、きっと良さが分かってくるはず!?(それっていいアルバムなのか!?という疑問は残るけど…)

 

考察

私にとって「プログレ」と呼ばれる音楽にハマる入り口となったのが、この作品だと思っています。こういった構成が大好きなんです。Queenボヘミアンラプソディ然り、いろんな展開をして最後に元のテーマに戻ってくるような曲が。

 

TOMMYの曲は邦題が面白いのがいくつもあって、色々なネタとして使っていました。人との会話に使ってみたり(誰にも気づかれませんが…)、友達とセッションするときに弾いてみたり。

 

今はまったく聴かなくなりましたが、SHM-CD版のDeluxe Editionを保有しています。これを買ってから所有欲が満たされてしまったのか、聴かなくなりました…。