レビュー日:2005.6.8(水)
TRICERATOPS通算3枚目のアルバム
自分たちの音楽を確立させようとして挑んだ今アルバムは題名通りブルージーな曲が並ぶ。ポカリスエットのCMで話題になったヒットシングル「Going to the Moon」完成度の高いバラード「if」ケンウッドのランページCM曲「Second Coming」の3枚のシングルを含む、日本正統派スリーピースバンド界のトップに上り詰めたアルバム!
A FILM ABOUT THE BLUES
トライセラ史上最大のセールスを記録したと思われるアルバムです。僕が初めて手にしたトライセラのアルバムであります。初めにこれ聴いて思ったことは「これがロックなんだ」と今思うことには「あぁ、こんな時期もあったなぁ…」と
ロックがどんなものかは人それぞれだと思いますが、当時の僕としてはロックだと思ってたんですね。でも、今では今作は思いっきり背伸びしたアルバムなんじゃないかなぁ?って感じるんです。それは歌詞にいつも見られる和田唱フレーズが少ないし、カッコつけすぎみたいな感じも見受けられる。それにサウンドでもちょっと気合いは入りすぎてあまりいい感じで聴けないところもあって。
ヒット作を出して、自分たちはもうコレだ!って決めつけてかかったアルバムだから、ロック界の金字塔?みたいなアルバムに仕上げたかったとは思うんですね。でもそれがいつもの彼ららしさを潰す方向に少し行ってしまったんじゃないかなぁと。
それがそれまでのファン離れにもつながったりしたようで…(あとスペシャルサンクスがどうとかあって…)
とマイナスイメージばかり並べていきましたが、だからといってトライセラが嫌いなわけではありません。好きだから書くんです。好きだから要望があるんです。でしょ?
と言うことで感想を
Going to the Moon
お気に入りLv7
上に上に突き進んで孤高の存在へ…
宇宙船に乗ってる感じがします。題名が題名だけにね。ギターワウが面白いし、これが曲のキモでしょうね。音がとぎれないから、単調な曲ながら通して聴けるんだと思います。この曲にギターソロは無くて正解。ワウだけで十分。
そして不思議なメロディー。和田さんの声によって無重力的サウンド。サビでのユニゾンも効果的。
この曲はドラムのリズムが当時としては独特で(っていうか吉田さんのドラムの音とリズムって独特)、ベースの音もいつもより大きい感じがしてバンドサウンド全開。
ポカリのCMとのタイアップで売れました。おそらくトライセラのキャリアの中で一番売れたシングル。
和田さんにしては歌詞ができすぎている気がしますね、今聴くと。方向性を変えようと思ったんだか、たまたまなんだか。
Vertigo
お気に入りLv7
目眩がするような攻撃ってどんなんだ?
いつもの和田さんじゃなーい歌詞(よくできてますけどね)。
サウンドも独特な感じスリーピースなんだけど、音の面で弱さを感じさせない。重くなりそうだけどハネてる、ドラム効果?ギターの音がリズム隊とは別に独立してるのもいいなぁ
Pretty Wings
お気に入りLv8
降りてくるこの運命は正しいのと正しくないのがある
レゲエテイストのメロリフから、サビに入っての疾走感へ。サビでの声のアタックがほんの少し弱い、ユニゾンでカバーしてるからいいけど。ベースがサビでのりきってないのも困り。
いい曲なだけにもったいない。しかし!ライブ映えする、絶対。こんだけ良い展開と程良い緊張感を持った曲なんだから!
和田さんの歌い方ってここに来て限界にさしかかるんですね。で、方向性が変わるんですよ。次のアルバムでは出ないから変な力入っちゃってる声で、それもそれでいいっちゃいいと思う人もいるんですが、やっぱりそれじゃ駄目だって思ったのか、移籍してから歌い方(声の出し方)が変わるんですよ、でそれが成功で、今のハイトーンボイスになった。つまり、CDだからこんな事言っちゃうんだけど、ライブでここいらの曲やったらばすごいってことです。そう言う蓄積が反映されるバンドであるから、楽しい。
Another Travel
お気に入りLv7
人はそれに魅せられちゃう
ゲットバックを連想させる始まり方、ギターリフでメロウなサビへま、いいんだけど。いいっちゃいいんだけど。声のアタックがほんの少し弱いんですね、今聴くと。あと、ドラムだけが浮いてる感じ、普通ののとこで。ドラムがドカドカやったりする曲じゃないですか、そこでドラムを聴かせたいのなら、もっと他の楽器がサポートにまわるべきなんですが、どうも…。
SECOND COMING
お気に入りLv6
奥にある純粋さを見失わないよ
ローゼズ!?ギターのリフが控えめなのね。これはドラムを前面に押し出しているからかなぁ?シングルだからかなぁ?ソロもキョーンって音じゃちょっと物足りない。今までゴリゴリやってたから、他の音の使い方が上手くない。
サウンドに工夫を!と思って作ってみたけど…。って感じ。ただユニゾンを使ってるのは良いとこです。ハーモニーは自分らのサウンドを形作るのに欠かせないものって分かってる。ここだけはふらふらしてないから。
if
お気に入りLv9
誰と踊り続けたい?
このアルバムで何聴いたらいいって聞かれたらこれっていうしかないでしょう!ただ、これをシングルで出したのって賛否両論だそうで。一枚シングルが売れると、次に出すシングルってたいていバラードって言うのが売り方らしいんですね。で、トライセラはそんなこと(普通のこと)しないだろうとファンは思ってた。けれどもバラードテイストだったんで、そんなに売れたいのか!って怒ったファンがいるとかいないとか。で、このシングルはあんまり売れなかった。ファンが反発したからか?はたまたプロモーションが足らなかったのか。
でもこのときにドカドカ売れてたら、今のトライセラはないと言っていいでしょう。いろんな経験をしたから傑作の最新アルバムを作れたわけだし、この頃はまだふらふらしてたから、売れ線メーカーになって自分を見失って解散なんてことにもなりそうだし。
と、この曲の良いところを紹介しましょう。まず、コードストロークだけで綺麗なサウンドを構築させてるところでしょうか。ベースが哀愁を帯びたリズムで、バックできちんとリズムを刻むドラムと重なって最高のバラードグルーヴを生み出していると言っていいでしょう。
アコギとエレキを重ねているギターから出るとても心地よい音はずっと聴いていても飽きません。そしてサビのハーモニーの心地よさ、メロディの不思議さこれはトライセラ独特のものでこのサビのメロディはトライセラ最高傑作といってもいいでしょう。
この曲に使われているコードは、ポピュラー音楽ではあまり使われないコードなので新鮮味を感じるのかも知れません。とにかく自分は好き。バラードすぎないレベルがいい。
Childhood
お気に入りLv6
子供の頃はなにかに心をときめかせてる 無邪気さを捨てるな
歌<ギターの半インスト作品
初めのアコギでバラードが2曲続くんかなーと思いきや、へヴィーなサウンドが待ち受けておりました。このギターサウンドはそんじょそこらの若手には真似できないだろハッハーン!と言わんばかりにギター炸裂しております。この曲でギター練習をした人も多いはず(自分はそうです)
この曲からアルバム名通りの、ブルース映画(サウンドトラック)がはじまります。
Dance
お気に入りLv7
君にもらったイメージは誰がくれたって?
むっちゃ歪ませてます。これのメロ弾きながら歌うのは無理だろうと思うのですが、やっちゃうもんなー、すごい。この曲は声のアタックが良いです。聴きやすい。さらにギターを強調する曲だからまとまってる。乾いたドラムと抑えめのベース、が和田さんを引き立ててる。
前曲から音が統一されるので似たような曲ばっかりじゃんと言われそうですが。そう言うコンセプトだったら仕方ないだろうなぁ。
You're My Gasoline
お気に入りLv7
誰が必要?
フェードインするイントロがカッコイイギターがジャキジャキしてる感じも重くなりそうなサウンドをうまくまとめてる。静と動があるからいい感じ。サビの高音ギターもいい感じユニゾンOKギターソロもカッコいい!ただ、物足りなさを感じちゃうのは自分だけ?
Funky Talk
お気に入りLv6
あるがままの姿って一体どんなんだろ?
ギターが良いリズム刻んでるんだけどそれだけなんですよね…、困ったことに。サビで盛り上がるのはいいんだけど、タメがないので何かすっからかんのイメージ。あと途中でソロが入る前の所も中途半端に感じてしまう。最後の同じような展開の所ははまってていいんだけど。それと通して聴いてると、おそらく飽きてしまう人もいると思う。そういう人は放っとけって言われたらそれまでだけど、言いものはどれだけ並べられても飽きないわけだから…。
Universe
お気に入りLv8
よりよい未来が待ってる、待ってる。で、バラードでFIN
この曲で聴くべき所はギターの音も魅力的だけど、ドラムの音。とても爽快感があるし、ギターがアコギを使ってるからかも知れないけどドラムが前に出てきても調和がとれている感じ。ラストが繰り返しになってしまうのはしかたないかなぁ…
ヴォーカルのユニゾンは全編通して良いです。これはユニゾン回数が多いから、ふんわりしたいいトライセラワールドが展開されます。
この曲はシングルカットされましたよね、いい仕上がりだから出しても文句は言わないけど、早く新曲出してくれとか思ってましたね。
ギターで終わっていくラストもいい感じです。
総評
んー、やっぱり歌詞に和田唱フレーズがないのはちょっと物足りないなぁ。このアルバムのヒットで武道館ライブまでやっちゃったんですよね。
しかしジャケットの看板があまりかっこよくないなと思うのは自分だけですかね?そう言えばシールがついてたなぁ。
このアルバム聴きまくったので結構歌詞カードとかボロボロです。んー中3の思い出が蘇ってくる…ような。
このアルバム出してしばらくして「次は踊れるロックを作りたい!」とか言ってた気がする…。有言実行したけど…。
解説
中学生の時に初めて買ったトライセラのアルバムです。それだけ。ifは好きだけど、それ以外はそんなに好きでもないし、思い入れもないです。ただ、バンドスコアが出ていたので、ギターは頑張って練習した記憶があります。
GOING TO THE MOONのスマッシュヒットが良かっただけに、なんでこんなコンセプトと出来になっちゃんだろうな?と後になって思うんですけど…。本当、残念な印象しかないアルバムです。通しだと飽きるし。